FP2級【きんざい:個人資産】2020年9月【問9】

株ログは複数の企業と提携しており、当サイトを経由して商品を購入することで、売り上げの一部が還元されることがあります。しかしながら当サイトのランキング等の評価については提携の有無や支払いの有無が影響していることはありません。

本記事の内容
『2020年9月実施』FP2級実技試験【個人資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.9

先に下記の資料をご覧ください。(Q7.8.9で使います)

2020年9月実施FP2級実技試験個人相談業務問9の資料

Aさんの2020年分の所得税における課税総所得金額を計算した下記の表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

2020年9月実施FP2級実技試験個人相談業務問9の資料②

①→5,300,000(円)

②→630,000(円)

③→480,000(円)

①の解説

  • 総所得金額

5,300,000円が適切です。

Aさんの総所得に係る収入、および所得は下記です。

  1. 給与収入
  2. 不動産所得

順に見ていきましょう。


【給与収入】

給与収入による所得は給与所得です。

給与所得の計算式は下記です。

給与収入-給与所得控除

よって速算表よりAさんの給与所得は下記になります。

800万円-(800万円×0.1+110万円)=610万円


【不動産所得】

今回不動産所得は赤字なので損益通算が可能ですが、土地の負債の利子部分は損益通算できません。

よってその分の20万円を差し引き、残りの80万円を給与所得と損益通算します。

610万円-80万円=530万円

上記がAさんの総所得金額となります。

損益通算対象外の損失

不動産所得 土地の借入金の利子
別荘等娯楽、保養目的で所有する不動産の貸し出しによる損失
譲渡所得 土地・建物の譲渡による損失
株式等の譲渡による損失※
生活に不必要な資産の譲渡による損失

※上場株式等の譲渡損失は、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得と損益通算可能です。


②の解説

  • 扶養控除

630,000円が適切です。

扶養控除の要件は下記です。

所得税における扶養控除のおもな要件

  • 配偶者以外の親族
  • 納税者と生計を一にしている
  • 年間の合計所得が48万円以下
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていない
  • 白色申告者の事業専従者でない

長女Cさんは所得がないため扶養控除の対象です。

続いて扶養控除の金額ですが、長女Cさんは20歳のため特定扶養親族に該当し、Aさんは63万円の扶養控除を受けられます。

所得税における扶養控除

年齢 控除額 区分
0歳以上16歳未満 なし  
16歳以上19歳未満 38万円 通常の扶養親族
19歳以上23歳未満 63万円 特定扶養親族
23歳以上70歳未満 38万円 通常の扶養親族
70歳以上で同居 58万円 老人扶養親族
70歳以上で同居以外 48万円 老人扶養親族

③の解説

  • 基礎控除

480,000円が適切です。

所得税の基礎控除額とは

合計所得金額 基礎控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 なし
michi
michi

FP2級試験の問題のほとんどが所得2,400万円以下なので、48万円は必ず覚えましょう!

問10へ