FP2級【きんざい:個人資産】2021年9月【問14】

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本記事の内容
『2021年9月実施』FP2級実技試験【個人資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.14

先に下記の資料をご覧ください。(Q13.14.15で使います)

2021年9月実施FP2級実技試験個人相談業務問14の資料
  1. 「遺産分割をめぐる争いを防ぐ手段として、遺言書の作成をお勧めします。自筆証書遺言については、その方式が緩和されたことにより、遺言書の全文をパソコンで作成することが可能になりました」
  2. 「公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成しますが、長男Bさん、その妻子および二男Cさんは証人になることができません」
  3. 「二男Cさんが、Aさんの生前に家庭裁判所に遺留分の放棄をする旨を申し立てることは可能です」

①→×

②→○

③→○

①の補足

  • 「遺産分割をめぐる争いを防ぐ手段として、遺言書の作成をお勧めします。自筆証書遺言については、その方式が緩和されたことにより、遺言書の全文をパソコンで作成することが可能になりました」

不適切です。

令和3年において自筆証書遺言でパソコン作成が認められているのは財産目録のみです。

遺言書の種類

種類 作成方法 証人 家庭裁判所の検認
自筆証書遺言
  1. すべて自書

財産目録はパソコン可※署名押印必要

不要 必要
自筆証書遺言保管制度 不要 不要
公正証書遺言
  1. 本人が口述、公証人が筆記
2人以上 不要
秘密証書遺言
  1. 本人が作成(パソコン可)
  2. 署名・捺印後封印
  3. 公証役場で手続き
2人以上 必要
michi
michi

ちなみに秘密証書遺言では全文パソコンで作成可能です。


②の補足

  • 「公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成しますが、長男Bさん、その妻子および二男Cさんは証人になることができません」

適切です。

推定相続人、およびその配偶者は公証人にはなれません。

公正証書遺言の証人になれない者

  • 未成年者
  • 推定相続人
  • 受遺者とその配偶者
  • 直系血族
  • 公証人の配偶者と4親等内の親族、書記および雇人

③の補足

  • 「二男Cさんが、Aさんの生前に家庭裁判所に遺留分の放棄をする旨を申し立てることは可能です」

適切です。

  生前 亡くなった後
相続放棄 × ○(3ヶ月以内)
遺留分の放棄 ○(1年以内)
michi
michi

なお生前に遺留分を放棄する場合は、家庭裁判所での許可が必要になります。

亡くなった後は被相続人本人が意思表示をするだけで放棄と同じ扱いになります。

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