FP2級【きんざい:中小事業主資産】2021年1月【問12】

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本記事の内容
『2021年1月実施』FP2級実技試験【中小事業主資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.12

先に下記の資料をご覧ください。(Q10.11.12で使います)

2021年1月実施FP2級実技試験【きんざい】中小事業主資産相談業務問12の資料

収用等の場合の課税の特例に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

法人の所有する資産が収用等され、交付を受けた補償金等(対価補償金および移転補償金などで対価補償金として取り扱うものに限る)により代替資産を取得した場合、代替資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額するなどの方法で経理したときは、その経理した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用が受け
られる。圧縮記帳の適用を受けるためには、収用等された資産が( ① )であることや、原則として収用等のあった日から( ② )以内に代替資産を取得することなどの要件を満たす必要がある。
また、法人が収用等の補償金等について圧縮記帳の適用を受けない場合、所定の要件を満たせば、譲渡益の額と( ③ )とのいずれか低い金額を損金の額に算入することができる。

①→イ

②→ホ

③→リ

①、②の解説

  • 収用等された資産が( 固定資産 )であることや、原則として収用等のあった日から( 2年 )以内に代替資産を取得することなどの要件を満たす必要がある。

収用とは

圧縮記帳の特例が適用される「収用等」とは、土地収用法、河川法、都市計画法等の特定の法律に基づく資産の収用、買取り、換地処分、権利変換、買収又は消滅をいう。

収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例:実務家のための法人税塾より引用
michi
michi

つまり法律によって収用されてしまった場合に得た補償金で購入した代替え資産については、一定の要件を満たせば圧縮記帳ができるということです。

固定資産・流動資産の違い

流動資産 当座資産 現金、預金など換金性が高い
棚卸資産 材料、在庫、商品など換金性が低い
その他の流動資産 未収金、前払費用、貸倒引当金など
固定資産   土地、建物、機械など長期で企業活動のために使うもの
michi
michi

棚卸資産は流動資産の中の1項目です。


③の解説

  • また、法人が収用等の補償金等について圧縮記帳の適用を受けない場合、所定の要件を満たせば、譲渡益の額と( 5,000万円 )とのいずれか低い金額を損金の額に算入することができる

圧縮記帳とは

課税所得となる利益を繰り延べる制度のこと。

例えば国からの補助金をもらって機械等を購入した場合、補助金は益金の扱いなので課税されてしまいます。

さらにいうと機械などは減価償却される(初年度に全額計上されない)ので、初年度の課税所得が上がってしまい補助金の効果を感じづらくなってしまいます。

そこで圧縮記帳を使います。

圧縮記帳は初年度において『圧縮損』という形で補助金と同額の損金(例えば機械なら取得価額から差し引く)を計上し、初年度の税負担を軽くする仕組みです。

しかしながら圧縮記帳をした場合は2年目以降の減価償却費が下がってしまうため、各年度の税負担は重くなります。

また、トータルでの税金は変わりません。

要するに

  • 圧縮記帳をする→初年度が多少ラク、2年目以降がキツイ
  • 圧縮記帳しない→初年度がキツイ、2年目以降は多少ラク

このようなイメージと言えます。(あくまでイメージです)

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