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- 本記事の内容
- 『2021年1月実施』FP2級実技試験【中小事業主資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】
Q.7
先に下記の資料をご覧ください。(Q7.8.9で使います)
X社の当期の法人税における所得金額の計算に関する次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。なお、本問において、法人税申告書別表四とは、当期利益の額を基として、加算・減算による申告調整を行うことによって所得金額を計算する表(所得の金額の計算に関する明細書)である。また、所得金額の計算上、選択すべき複数の方法がある場合は、所得金額が最も低くなる方法を選択すること。
- 前期からの備品の繰越償却超過額である30万円を法人税申告書別表四で減算する。
- X社が支出した交際費等の金額1,220万円のうち、接待飲食費の額を超える220万円を法人税申告書別表四で加算する。
- X社がAさんに売却した土地については、時価と実際の売却額との差額分である500万円が役員給与に該当し、その全額を法人税申告書別表四で加算する。
- X社が支払った養老保険の保険料の額のうち、損金の額に算入することができるのはその2分の1に相当する金額であるため、200万円を法人税申告書別表四で加算する。
①→○
②→×
③→○
④→○
- 前期からの備品の繰越償却超過額である30万円を法人税申告書別表四で減算する。
適切です。
償却限度額が930万円の為、当期の880万円と前期の30万円を合わせても限度範囲内なので益金には不算入となります。
ちなみにもし仮に限度額を超過した場合、その分は損金不算入となります。
- X社が支出した交際費等の金額1,220万円のうち、接待飲食費の額を超える220万円を法人税申告書別表四で加算する。
不適切です。
そもそも接待飲食費全額を損金算入できません。
資本金1億円以下の中小企業は交際費に関する損金算入額を『交際費等の800万円以下全額』か『交際費等の中の接待飲食費の額の50%』で選択できます。
- 交際費等の800万円以下全額→1,220万円-800万円=430万円
- 接待飲食費の額の50%→1,000万円×1/2+(1,220万円-1,000万円)=720万円
よってこの場合①を選択したほうが所得税が少なくなるため、法人税申告書別表四に加算される金額は430万円になります。
50%損金にできる範囲はあくまで接待飲食費だけです。交際費全般が50%になるわけではないです。
資本金 | 損金算入限度額 |
1億円以下※どちらか選択 | 年間交際費のうち800万円以下全額 |
年間交際費のうち飲食支出額の50% | |
1億円超 | 年間交際費のうち飲食支出額の50% |
- X社がAさんに売却した土地については、時価と実際の売却額との差額分である500万円が役員給与に該当し、その全額を法人税申告書別表四で加算する。
適切です。
低額譲渡にあたるため、差額は益金の額に算入されます。
売主 | 個人 | 法人 | |||||
買主 | 個人 | 法人 | 個人 | 法人 | |||
取引価格 | 時価の1/2以上 | 時価の1/2未満 | 時価の1/2以上 | 時価の1/2未満 | 時価未満 | ||
売主 | 課税関係 | 通常の譲渡所得の計算(ただし、時価1/2未満時は譲渡損はないとみなす) | 通常の譲渡所得の計算 | みなし譲渡 | 取引価格と時価の差額は、益金の額に算入。原則、寄付金に該当 | ||
買主 | 課税関係(取引可価格と時価の差額) | みなし贈与 | 受贈益 | 一時所得又は給与等 | 受贈益 | ||
取得価額 | 取引価格 | 時価 |
低額譲渡の場合の課税関係(外部リンク)
- X社が支払った養老保険の保険料の額のうち、損金の額に算入することができるのはその2分の1に相当する金額であるため、200万円を法人税申告書別表四で加算する。
適切です。
保険金受取人 | |||
満期保険金 | 死亡保険金 | 支払い保険料 | |
養老保険
契約者は法人 |
法人 | 法人 | 資産計上 |
役員・従業員 | 役員・従業員の遺族 | 損金算入 | |
法人 | 役員従業員の遺族 | 1/2資産、1/2損金 |
FP3級でも出題されているハーフタックスプランの事ですね。