FP2級【きんざい:中小事業主資産】2020年9月【問14】

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本記事の内容
『2020年9月実施』FP2級実技試験【中小事業主資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.14

先に下記の資料をご覧ください。(Q13.14.15で使います)

2020年9月実施FP2級実技試験【きんざい】中小事業主資産相談業務問14の資料

遺留分に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  1. Aさんが、X社株式を長男Cさんに贈与し、贈与後にAさんの相続が開始した場合、贈与の時期にかかわらず、その贈与した株式の価額はすべて遺留分を算定するための財産の価額に算入される。
  2. 仮に現時点(2020年9月13日)において、Aさんの相続が開始し、遺留分を算定するための財産の価額が2億4,000万円である場合、長女Dさんの遺留分の額は3,000万円となる。
  3. 長男Cさんが、Aさんから贈与を受けるX社株式について「遺留分に関する民法の特例」の適用を受ける場合、都道府県知事の確認を受け、家庭裁判所の許可を受ける必要がある。

①→×

②→○

③→×

①の解説

  • Aさんが、X社株式を長男Cさんに贈与し、贈与後にAさんの相続が開始した場合、贈与の時期にかかわらず、その贈与した株式の価額はすべて遺留分を算定するための財産の価額に算入される。

不適切です。

贈与3年以内のものが算入されます。


②の解説

  • 仮に現時点(2020年9月13日)において、Aさんの相続が開始し、遺留分を算定するための財産の価額が2億4,000万円である場合、長女Dさんの遺留分の額は3,000万円となる。

適切です。

今回のポイントは下記です。

  1. 遺留分とは
  2. 長女Dさんの遺留分

順に見ていきましょう。


【遺留分とは】

遺留分とは相続人に対する最低限の遺産を相続する権利のことで、遺言であってもその権利を奪うことはできません。

遺留分の権利人は下記です。

  1. 配偶者、父母が法定相続人の時→配偶者、父母が遺留分権利者
  2. 配偶者、子が法定相続人の時→配偶者、子が遺留分権利者
michi
michi

兄弟姉妹は遺留分を請求できません。

遺留分は下記で求められます。

遺留分の計算方法

対象者 遺留分
相続人が直系尊属のみ 法定相続分の1/3
その他 法定相続分の1/2

今回は『その他』にあたるため、長女Dさんの遺留分は法定相続分の2分の1です。


【長女Dさんの遺留分】

今回の場合長女Dさんの遺留分は法定相続分の2分1なので、まずは法定相続の割合を調べます。

相続人が配偶者、子の場合

  • 配偶者→2分の1
  • 子→残りの2分の1を等分

今回の法定相続人は下記です。

  相続割合
妻Bさん 2分の1
長男Cさん 4分の1
長女Dさん 4分の1

よって長女Dさんの遺留分の割合は『4分の1×2分の1=8分の1』になるため、金額は下記になります。

2億4,000万円×8分の1=3,000万円


③の解説

  • 長男Cさんが、Aさんから贈与を受けるX社株式について「遺留分に関する民法の特例」の適用を受ける場合、都道府県知事の確認を受け、家庭裁判所の許可を受ける必要がある。

不適切です。

都道府県知事ではなく経済産業大臣の確認を受け、家庭裁判所の許可が必要になります。

遺留分に関する民法の特例の条件

  1. 会社→中小企業であること。合意時点において3年以上継続して事業を行っている非上場企業であること。
  2. 先代経営者→過去又は合意時点において会社の代表者であること。
  3. 後継者→合意時点において会社の代表者であること。現経営者からの贈与等により株式を取得したことにより、会社の議決権の過半数を保有していること。

遺留分に関する民法の特例の効力発生までの順番

  1. 株式の生前贈与
  2. 合意
  3. 経済産業大臣の確認
  4. 家庭裁判所の許可
  5. 合意の効力発生

遺留分に関する民法の特例のポイント

  • 除外合意→後継者以外の相続人が自社株について遺留分を主張できないようにする。
  • 固定合意→遺留分の価額を合意当時のものにする(後継者の努力で株式価値が上がっても影響を受けない)

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