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- 本記事の内容
- 『2021年1月実施』FP3級実技試験【保険顧客資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】
Q.10
先に下記の資料をご覧ください。(Q10.11.12で使います)
Aさんの2020年分の所得税の課税等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 「Aさんが受け取った一時払変額個人年金保険の解約返戻金は、契約から10年以内の解約のため、源泉分離課税の対象となります」
- 「Aさんの場合、総所得金額に算入される一時所得の金額の合計額が20万円を超えるため、Aさんは所得税の確定申告をしなければなりません」
- 「会社員であるAさんが所得税の確定申告をする場合、確定申告書は、Aさんの勤務先を経由して勤務先の住所地の所轄税務署長に提出することになります」
2が適切
- 「Aさんが受け取った一時払変額個人年金保険の解約返戻金は、契約から10年以内の解約のため、源泉分離課税の対象となります」
不適切です。
源泉分離課税の対象は保険期間が5年以内、もしくは5年以内に解約の一時払変額個人年金保険等です。
保険期間5年以内※ | 保険期間5年超 | |
確定年金 | 20.315%の源泉分離課税 | 一時所得+住民税 |
終身年金 | 一時所得+住民税 |
※5年超の契約で5年以内に解約した場合も含みます。
- 「Aさんの場合、総所得金額に算入される一時所得の金額の合計額が20万円を超えるため、Aさんは所得税の確定申告をしなければなりません」
適切です。
設問のとおり前提として給与所得、退職所得以外の所得が20万円を超えている人は確定申告が必要です。
ではAさんの一時所得を見ていきましょう。
資料をまとめます。
解約返戻金 | 払込保険料 | |
終身保険 | 480万円 | 410万円 |
一時払変額個人年金保険 | 600万円 | 500万円 |
※一時払変額個人年金保険は5年超の解約なので一時所得です。
よって一時所得の合計を計算すると下記になります。
(480万円+600万円)-(410万円+500万円)-50万円=120万円
michi
特別控除金は一時所得の合計に適用されます。1つ1つを控除するわけではありません。
さらに総所得金額に算入する際は2分の1になります。
120万円×1/2=60万円
よって一時所得が20万円を超えるため確定申告が必要になります。
- 「会社員であるAさんが所得税の確定申告をする場合、確定申告書は、Aさんの勤務先を経由して勤務先の住所地の所轄税務署長に提出することになります」
不適切です。
確定申告をする場合は本人が『住所地』の所轄税務署に提出する必要があります。