FP2級【きんざい:個人資産】2021年9月【問8】

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本記事の内容
『2021年9月実施』FP2級実技試験【個人資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.8

先に下記の資料をご覧ください。(Q7.8.9で使います)

2021年9月実施FP2級実技試験個人相談業務問8の資料

Aさんが新築分譲マンションを購入した場合の税金に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  1. 「Aさんが、父親からの資金援助について『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例』の適用を受けた場合、その贈与を受けた金額は贈与税が課されません」
  2. 「Aさんが2021年分の所得税において住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、一定の書類を添付して、Aさんの住所地を所轄する税務署長に確定申告書を提出する必要があり、年末調整においてその適用を受けることはできません」
  3. 「仮に、Aさんが、2022年分以降の住宅借入金等特別控除の額がその年分の所得税額から控除しきれなかったにもかかわらず、Aさんの住所地の市区町村にその旨を申告しなかった場合、その残額は、翌年度分の住民税額の控除対象にはなりません」

①→○

②→○

③→×

①の補足

  • 「Aさんが、父親からの資金援助について『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例』の適用を受けた場合、その贈与を受けた金額は贈与税が課されません」

適切です。

資料より契約締結日が2021年(令和3年)7月、かつ一般の住宅なので1,000万円までが非課税限度枠となり、贈与税は課されません。

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度枠の違い(消費税率等10%の場合)

契約締結日 省エネ住宅等 その他の住宅
平成31年4月1日~令和2年3月31日まで 3,000万円 2,500万円
令和2年4月1日~令和3年12月31日まで 1,500万円 1,000万円

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例

贈与者 直系尊属(父母、祖父母など)
受贈者 20歳以上の直系卑属(子、孫など)
受贈者の所得制限

贈与を受けた年の所得が2,000万円以下

※床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下

おもな要件

自己の配偶者、親族などの特別な関係のある人から住宅を取得していない、またはこれらの者に依頼をして新築等をしていない。

贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住し、その後も居住予定である。翌年の12月31日までに居住できなかった場合は本特例は受けられない。

取得した住宅の床面積が40㎡以上240㎡以下、かつ家屋の床面積の2分の1以上が居住の用に供されること。

暦年課税、相続時精算課税制度のいずれかと併用可能


②の補足

  • 「Aさんが2021年分の所得税において住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、一定の書類を添付して、Aさんの住所地を所轄する税務署長に確定申告書を提出する必要があり、年末調整においてその適用を受けることはできません」

適切です。

住宅借入金特別控除の初年度は確定申告をする必要があります。

2年目以降は会社の年末調整にて適用を受けられます。


③の補足

  • 「仮に、Aさんが、2022年分以降の住宅借入金等特別控除の額がその年分の所得税額から控除しきれなかったにもかかわらず、Aさんの住所地の市区町村にその旨を申告しなかった場合、その残額は、翌年度分の住民税額の控除対象にはなりません」

不適切です。

所得税の確定申告をした時点で、そのデータが市町村に送られ住民税が算出されるので控除対象になります。

市区町村において、住宅ローン控除を受ける方が税務署等(所得税)へ申告した情報を把握できる仕組みとし、市区町村(個人住民税)への申告は不要となりました。

 具体的には、確定申告の添付資料の見直しや給与支払報告書等の改正により、住宅ローン控除額を算出するために必要な情報を、市区町村が把握できるようにし、控除を行うこととしました。

総務省HPより引用

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