FP2級【きんざい:生保顧客資産】2021年5月【問14】

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本記事の内容
『2021年5月実施』FP2級実技試験【生保顧客資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.14

先に下記の資料をご覧ください。(Q13.14.15で使います)

2021年5月実施FP2級実技試験【きんざい】生保顧客資産相談業務問14の資料

「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  1. 「Aさんが自宅(実家)の敷地を相続し、特定居住用宅地等として本特例の適用を受けた場合、その敷地の400㎡までを限度面積として、評価額の80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができます」
  2. 「Aさんが自宅(実家)の敷地を相続し、当該敷地を相続税の申告期限前に売却した場合であっても、本特例の適用を受けることができます」
  3. 「自宅(実家)の敷地と賃貸アパートの敷地について、本特例の適用を受けようとする場合、適用対象面積の調整はせず、それぞれの宅地等の適用対象の限度面積まで適用を受けることができます」

①→×

②→×

③→×

①の解説

  • 「Aさんが自宅(実家)の敷地を相続し、特定居住用宅地等として本特例の適用を受けた場合、その敷地の400㎡までを限度面積として、評価額の80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができます」

不適切です。

特定居住用宅地等の減額面積の限度は330㎡、かつ評価減額は評価額の80%相当額です。

小規模宅地等の評価減の限度面積と減額割合

  限度面積 減額割合
特定事業用宅地等 400㎡ 80%
特定同族会社事業用宅地等 400㎡ 80%
貸付事業用宅地等 200㎡ 50%
特定居住用宅地等 330㎡ 80%

②の解説

  • 「Aさんが自宅(実家)の敷地を相続し、当該敷地を相続税の申告期限前に売却した場合であっても、本特例の適用を受けることができます」

不適切です。

Aさんは本特例を受けられる要件の対象外です。

本特例を受けるための要件は下記です。

小規模宅地等についての相続税の課税価格の特例のおもな要件

取得した人 要件
①配偶者 特になし
②同居の親族 申告期限まで所有し、居住し続けている場合
③被相続人と生計を一にしていた親族 相続開始前から申告期限まで所有し、居住し続けている場合
①②③以外の親族 相続開始前3年以内に自己、自己の配偶者が所有する家屋に住んでいない、かつ取得した家屋を引き続き所有している場合

上記表から分かるように、本設問において特例を受けられるのは父Dさんの配偶者のみです。

よってAさんは要件から外れるため、本特例を受けられません。


③の解説

  • 「自宅(実家)の敷地と賃貸アパートの敷地について、本特例の適用を受けようとする場合、適用対象面積の調整はせず、それぞれの宅地等の適用対象の限度面積まで適用を受けることができます」

不適切です。

貸付事業用宅地等を含んだ複数の土地について本特例の適用を受ける場合、法律により下記の計算式を使わなければならないため、必ず調整が入ってしまいます。

A×200/330+B×200/400+C≦200㎡

A→特定居住用宅地等(MAX330㎡)

B→特定事業用宅地等(MAX400㎡)

C→貸付事業用宅地等(MAX200㎡)

本設問ではそれぞれ下記に該当します。

  • 自宅の敷地→特定居住用宅地等
  • 賃貸アパートの敷地→貸付事業用宅地等

よって説明した計算式を使うことになるので、両方適用しようとすると必ず調整が入ります。

michi
michi

ピンと来ない場合は実際に数値を当てはめると分かります。

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