FP2級【きんざい:生保顧客資産】2021年5月【問12】

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本記事の内容
『2021年5月実施』FP2級実技試験【生保顧客資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.12

先に下記の資料をご覧ください。(Q10.11.12で使います)

2021年5月実施FP2級実技試験【きんざい】生保顧客資産相談業務問12の資料

Aさんの2020年分の所得税の算出税額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

2021年5月実施FP2級実技試験【きんざい】生保顧客資産相談業務問12の資料②

①→5,550,000(円)

②→77,500(円)

③→480,000(円)

④→137,500(円)

①の解説

  • 総所得金額

5,550,000(円)が適切です。

今回の総所得金額に係る所得は下記です。

  1. 事業所得
  2. 一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金

事業所得は530万円と分かっているので、あとは一時払変額個人年金保険の解約返戻金による所得を求めます。

一時払変額年金保険の解約返戻金による所得の種類はおもに下記となります。

一時払変額年金保険、定額年金保険の解約返戻金の課税

  保険期間5年以内※ 保険期間5年超
確定年金 20.315%の源泉分離課税 一時所得+住民税
終身年金 一時所得+住民税

※5年超の契約で5年以内に解約した場合も含みます。

今回は契約期間10年の確定年金を9年で解約したので一時所得の課税対象です。

一時所得の計算式は下記です。

一時所得に係る総収入−その経費−特別控除金(最高50万円)

資料より数字を当てはめます。

600万円-500万円-50万円=50万円

さらに一時所得が総所得金額に算入される際は2分の1になります。

よって今回の総所得金額は下記になります。

530万円+(50万円×1/2)=5,550,000(円)


②の解説

  • 生命保険料控除

77,500円が適切です。

今回の生命保険料控除に係る保険料の支払いは下記です。

  1. 終身保険→一般の生命保険料控除
  2. 医療保険→介護医療保険料控除

生命保険料控除は契約のタイミングによって控除金額が変わります。

生命保険料控除の控除額の違い

契約時期種類所得税所得税(合計)住民税住民税(合計)
新タイプ
(平成24年1月1日以降に契約)
一般生命40,000円120,000円28,000円70,000円
介護医療 40,000円 28,000円
個人年金 40,000円 28,000円
旧タイプ
(平成23年12月31日までに契約)
一般生命 50,000円 100,000円35,000円70,000円
個人年金 50,000円 35,000円
それぞれの数値は控除の最高額です。
平成24年=2012年

今回は両方とも新タイプです。

資料より計算式を当てはめます。

終身保険15万円→8万円超の為、控除額は40,000円

医療保険7万円→7万円×1/4+2万円=37,500円

よってそれぞれ『40,000円+37,500円=77,500円』の生命保険料控除を受けられます。


③の解説

  • 基礎控除

480,000(円)が適切です。

所得税の基礎控除額とは

合計所得金額 基礎控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 なし
michi
michi

所得2,400万円超はめったに出題されないので、とりあえず48万円だけはしっかり覚えておきましょう!


④の解説

  • 算出税額

137,500(円)が適切です。

算出税額を求める順番は下記です。

  1. a-b=c
  2. cに対する所得税額

順に進めていきましょう。

【a-b=c】

a→①から5,550,000円

b→資料から3,200,000円

よって『5,550,000円-3,200,000円=2,350,000円』がcとなります。

【cに対する所得税額】

速算表よりcに対する所得税額は下記になります。

2,350,000円×0.1-97,500円=137,500円

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