FP3級【きんざい:保険顧客】2021年1月【問14】

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本記事の内容
『2021年1月実施』FP3級実技試験【保険顧客資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.14

先に下記の資料をご覧ください。(Q13.14.15で使います)

2021年1月実施FP3級実技試験保険顧客資産相談業務問14の資料

Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、長男Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が2億円である場合、長男Dさんの遺留分の金額は( ① )万円です」
  2. 「Aさんが加入を検討している一時払終身保険の死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。Aさんの相続開始後、妻Bさんが受け取る死亡保険金2,500万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は、( ② )万円となります」
  3. 「Aさんの相続が開始し、妻Bさんが特定居住用宅地等に該当する自宅の敷地を相続により取得し、その敷地の全部について『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額3,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( ③ )万円とすることができます」
  1. ① 2,500 ② 500 ③ 2,400
  2. ① 5,000 ② 1,000 ③ 2,400
  3. ① 2,500 ② 1,000 ③ 600

3が適切

1の補足

  • 「妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、長男Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が2億円である場合、長男Dさんの遺留分の金額は( 2,500 )万円です」

今回の課税遺産総額は2億円なので法定相続分をそれぞれ分けます。

  相続割合 法定相続分
妻Bさん 2分の1 1億円
長女Cさん 4分の1 5,000万円
長男Dさん 4分の1 5,000万円

遺留分の求め方は下記です。

遺留分の計算方法

対象者 遺留分
相続人が直系尊属のみ 法定相続分の1/3
その他 法定相続分の1/2

今回の場合妻が直系尊属ではないため、『その他』の2分の1が遺留分となります。

よって長男Dさんの遺留分は下記です。

5,000万円×1/2=2,500万円


2の補足

  • 「Aさんが加入を検討している一時払終身保険の死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。Aさんの相続開始後、妻Bさんが受け取る死亡保険金2,500万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は、( 1,000 )万円となります」

死亡保険金には相続税の非課税限度枠があります。

計算式は下記です。

500万円×法定相続人の数

michi
michi

この法定相続人の数には相続放棄した人も含まれます。

今回法定相続人は妻Bさん、長女Cさん、長男Dさんの3人なので、500万円×3=1,500万円が非課税限度枠です。

よって相続税が課税される死亡保険金の金額は下記になります。

2,500万円-1,500万円=1,000万円


3の補足

  • 「Aさんの相続が開始し、妻Bさんが特定居住用宅地等に該当する自宅の敷地を相続により取得し、その敷地の全部について『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額3,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( 600 )万円とすることができます」

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例は下記です。

小規模宅地等の評価減の限度面積と減額割合

  限度面積 減額割合
特定事業用宅地等 400㎡ 80%
貸付事業用宅地等 200㎡ 50%
特定居住用宅地等 330㎡ 80%

今回は特定居住用宅地です。

資料より敷地面積が300㎡と分かるのですべて減額対象です。

よって計算式は下記になります。

3,000万円×(1-0.8)=600万円

michi
michi

ポイントは80%になるのではなく【80%減額される】ところです。

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