FP2級【きんざい:生保顧客資産】2021年5月【問4】

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本記事の内容
『2021年5月実施』FP2級実技試験【生保顧客資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.4

先に下記の資料をご覧ください。(Q4.5.6で使います)

2021年5月実施FP2級実技試験【きんざい】生保顧客資産相談業務問4の資料

はじめに、Mさんは、Aさんに対して、公的年金制度からの給付について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等は満たしていることとする。

  1. 「Aさんが現時点で死亡した場合、妻Bさんは、遺族基礎年金を受給することはできません」
  2. 「Aさんが現時点で死亡した場合、妻Bさんは、遺族厚生年金を受給することができます。遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の3分の2相当額です」
  3. 「Aさんが病気やケガ等で障害状態となり、その障害の程度が厚生年金保険法に規定される障害等級3級と認定された場合、Aさんは障害基礎年金および障害厚生年金を受給することができます」

①→○

②→×

③→×

①の解説

  • 「Aさんが現時点で死亡した場合、妻Bさんは、遺族基礎年金を受給することはできません」

適切です。

妻Bさんには子がいないため遺族基礎年金は受給できません。

遺族基礎年金の受給要件(配偶者と子が受給権者の場合)

遺族の範囲 死亡した人に生計を維持されていた子のある配偶者、または子
給付額 老齢基礎年金と同じ金額
子の加算 2人目まで→224,700円(令和3年度)
3人目以降→74,900円(令和3年度)

②の解説

  • 「Aさんが現時点で死亡した場合、妻Bさんは、遺族厚生年金を受給することができます。遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の3分の2相当額です」

不適切です。

遺族厚生年金の受給額は老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です。

遺族厚生年金の年金額

死亡した時点で計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の3/4相当額

※夫死亡時に30歳未満の子のない妻の場合は5年間の有期年金です。


③の解説

  • 「Aさんが病気やケガ等で障害状態となり、その障害の程度が厚生年金保険法に規定される障害等級3級と認定された場合、Aさんは障害基礎年金および障害厚生年金を受給することができます」

不適切です。

Aさんが受給できるのは障害厚生年金のみです。

障害基礎年金は1級または2級の障害状態のみの受給なので、障害等級3級の場合受給できません。

  • 障害基礎年金→1級、または2級の障害状態
  • 障害厚生年金→1級から3級の障害状態

障害基礎年金とは

受給要件

以下の3つをすべて満たしている人が対象です。

  1. 初診日に国民年金の被保険者である。もしくは20歳未満、60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない。
  2. 障害認定日に1級または2級の障害状態である。
  3. 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。

保険料納付要件の特例

以下にすべてが意図する場合は、特例として納付要件を満たしている扱いになります。

  • 初診日が令和8年4月1日前にあること。
  • 初診日において65歳未満であること。
  • 初診日の前日において、初診日がある2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間が無いこと。


また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。

障害厚生年金とは

受給要件

以下の3つをすべて満たしている人が対象です。

  1. 初診日に厚生年金の被保険者である。
  2. 障害認定日に1級から3級の障害状態である。
  3. 初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上ある。

保険料納付要件の特例

以下にすべてが意図する場合は、特例として納付要件を満たしている扱いになります。

  • 初診日が令和8年4月1日前にあること。
  • 初診日において65歳未満であること。
  • 初診日の前日において、初診日がある2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間が無いこと。
michi
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厚生年金の被保険者は同時に障害基礎年金の受給要件もクリアしているので、1級もしくは2級の障害状態になった場合、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給できます。ただし3級の場合は障害厚生年金のみの受給です。

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