FP2級の過去問題の解説【実技:中小事業主資産】きんざい2020年9月

株ログは複数の企業と提携しており、当サイトを経由して商品を購入することで、売り上げの一部が還元されることがあります。しかしながら当サイトのランキング等の評価については提携の有無や支払いの有無が影響していることはありません。

本記事の内容
『2020年9月実施』FP2級実技試験【中小事業主資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】
学科試験はコチラから。
きんざい実技試験:個人資産相談業務はコチラから。
きんざい実技試験:生保顧客資産相談業務コチラから。
きんざい実技試験:損保顧客資産相談業務コチラから。
日本FP協会実技試験はコチラ。
記事の信頼性

FP(ファイナンシャルプランナー)試験の過去問解説を1年以上継続中。

毎日勉強しているので最新の情報をお届けしています。

Twitter:@michi_fptest←解説のご質問も受付中です。

2級FP技能士michi(みち)です。

Q.1

先に下記の資料をご覧ください。(Q1.2.3で使います)

2020年9月実施FP2級実技試験【きんざい】中小事業主資産相談業務問1の資料

Mさんは、Aさんが原則として65歳から受給することができる老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額を試算した。老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額を求める下記の<計算式>の空欄①~③に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。
また、空欄④に入る語句を、解答用紙の「される/されない」のいずれかから選び、適切なものを○で囲みなさい。計算にあたっては、《設例》の<Aさん夫妻に関する資料>に基づくこと。
なお、年金額は2020年度価額に基づくものとし、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

2020年9月実施FP2級実技試験【きんざい】中小事業主資産相談業務問1の資料②

①→781,700(円)

②→432(月)

③→92(月)

④→されない

①、②の解説
  • 781,700円×432月/480月

【①について】

老齢基礎年金額の推移
  老齢基礎年金額
2021年度(令和3年度) 780,900円
2020年度(令和2年度) 781,700円
2019年度(令和元年度) 780,100円
2018年度(平成30年度) 779,300円
2017年度(平成29年度) 779,300円
michi
michi

実はその年の老齢基礎年金額についての出題は頻出なので、あなたが受ける年の基礎年金額は覚えておきましょう


【②について】

国民年金保険料の未納期間は年金額に反映されないため『480月-48月=432月』となります。


③の解説
  • 92(月)

経過的加算額の計算式は下記です。

1,630円×生年月日に応じた率×被保険者の月数-781,700円×昭和36年(1961年)4月以降で20歳から60歳未満の厚生年金保険の被保険者月数/12

michi
michi

この昭和36年4月は国民年金がスタートした時です。

よって1975年8月生まれのAさんは、18歳8か月から厚生年金の被保険者期間の為、20歳までの16月はカウントされないので『108月-16月=92月』が答えとなります。

michi
michi

月単位の計算はかなりのひっかけ問題です。

経過的加算の説明

経過的加算とは『旧法の厚生年金の定額部分』から、『現在の老齢厚生年金の加入月数に基づいた基礎年金部分の金額』の差額です。

昭和61年3月以前→定額単価×厚生年金の被保険者月数

昭和61年4月以後→老齢基礎年金の金額×厚生年金加入月数(20~60歳の期間)÷480

michi
michi

旧法→新法によって減ってしまった分の額を経過的加算によって補填できます。

20歳未満、および60歳以降の厚生年金加入月数分が経過的加算として老齢厚生年金に上乗せ出来ます。

michi
michi

昔は国民年金の加入が義務ではなかったので、その分に対する救済措置にもなります。


④の解説
  • されない

加給年金の要件の1つは厚生年金の被保険者期間20年以のため、本設問では加算されません。

加給年金の要件

下記要件1.2.3をすべて満たす必要があります。

要件1

厚生年金の被保険者期間20年以上の人において

  • 特別支給の老齢厚生年金の定額部分が支給されるとき
  • または65歳になり老齢厚生年金が支給されるとき

要件2
  • 生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる
  • または18歳到達年度末までの子どもがいる
  • または1級、2級の障害状態にある20歳未満の子供がいる

要件3
  • 加給年金対象者(この場合配偶者か子)の前年収入が850万円未満、または所得が655万5千円未満であること。

問2へ

FP2級試験(実技)中小事業主資産相談業務2020年9月 きんざい主催

※本記事の問題の権利はすべて一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)に帰属されており、許可を取ってWEB上に載せております。

 

許諾番号: 2101K000001