- 本記事の内容
- 『2021年5月実施』FP2級実技試験【個人資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】
Q.5
先に下記の資料をご覧ください。(Q4.5.6で使います)
Mさんは、Aさんに対して、X社株式を購入する際の留意点等について説明した。
Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
- 「 X社株式のPBRは1.0倍を下回っていますが、PBRの1倍割れだけをもって、割安と判断するのは注意が必要です。PER等の他の投資指標も併せて比較・検討するなど、多角的な視点が望まれます」
- 「配当を受け取るためには、権利確定日に株主として株主名簿に記載される必要があります。次回の配当を受け取るためには、権利確定日の3営業日前である6月25日(金)までに買付けを行ってください」
- 「 X社株式を購入する場合、一般NISAを利用することが考えられます。2021年中に一般NISA勘定に受け入れることができる限度額(非課税投資枠)は120万円です」
①→○
②→×
③→○
- 「 X社株式のPBRは1.0倍を下回っていますが、PBRの1倍割れだけをもって、割安と判断するのは注意が必要です。PER等の他の投資指標も併せて比較・検討するなど、多角的な視点が望まれます」
適切です。

例えばPBRを1倍とすると『企業の資産価値と株価が釣り合っている』ということになります。
これが0.7倍になると『資産価値の割には株価が安い』ということで割安であるということとなります。
ただし0.7倍がずっと続く場合、株式を売買する投資家の間ではそもそも資産価値と株価が釣り合っていないとも取るので(0.7倍の状態が本来の価値かもしれないということ)、安易に割安と判断するのではなくPBR以外にも多角的な視点が求められます。
ちなみにPBRの計算式は下記です。
株価÷1株当たりの純資産
1株当たりの純資産は『純資産の部合計÷発行済み株式数』で計算できます。
350,000,000,000円÷ 200,000,000株=1,750円
株価は資料より1,350円です。
よってPBRは下記になります。
1,350÷1,750=0.771…>1
- 「配当を受け取るためには、権利確定日に株主として株主名簿に記載される必要があります。次回の配当を受け取るためには、権利確定日の3営業日前である6月25日(金)までに買付けを行ってください」
不適切です。
6月28日までに買付を行えば配当を受けられます。

権利確定日はその営業日を含まない2日後(もしくは含んだ3日後)なので、28日から見て29日、30日で2日後となります。
- 「 X社株式を購入する場合、一般NISAを利用することが考えられます。2021年中に一般NISA勘定に受け入れることができる限度額(非課税投資枠)は120万円です」
適切です。
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
対象者 | 国内在住の20歳以上の人 | 国内在住の0歳~19歳 | |
対象商品 |
上場株式 株式投資信託 ETF REIT |
低リスクで安定性が高い、公募株式投資信託
ETF |
上場株式 株式投資信託 ETF REIT |
金融機関の変更 | 可 | 不可 | |
非課税投資枠 | 年間120万円 | 年間40万円 | 年間80万円 |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長20年間 | 最長5年間 |
非課税枠の繰越 | 不可 | ||
払い出し制限 | なし | 原則3月31日時点で18歳である年の前年12月31日まで払出しができない |

2024年から新NISAになります。2021年9月以降のFP試験ではすでに新NISAの問題も出題されていますので、これからは新NISAメインで覚えていきましょう!
- ジュニアNISAは終了
- 旧NISA→新NISAのロールオーバーが可能
- 1階部分(年20万円まで)、2階部分(年102万円まで)に非課税投資枠が分かれる
- 1階部分はつみたてNISAと同じ商品、2階部分は一般NISAとほぼ同じ商品(高レバレッジ投資信託等は除外されました)
- 新NISAを新規口座開設する人は、1階部分に投資しなければ2階部分に投資できない(限度枠20万円いっぱいにする必要はありません。例えば1万円のみでも問題ありません)
- 旧NISA口座がある人は2階部分のみの投資が可能
- 1階部分は5年間の非課税期間終了後につみたてNISAへのロールオーバーが可能(ロールオーバー後は2階部分との併用はできないので、2階部分については課税口座に移さなければなりません)
2021年5月学科試験を解きたい。
2021年5月きんざい実技試験:生保顧客資産相談業務を解きたい。
2021年5月日本FP協会実技試験を解きたい。