FP2級【きんざい:個人資産】2021年5月【問15】

本記事の内容
『2021年5月実施』FP2級実技試験【個人資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】

Q.15

先に下記の資料をご覧ください。(Q13.14.15で使います)

2021年5月実施FP2級実技試験個人相談業務問15の資料

Aさんの相続等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  1. 「遺産分割をめぐる争いを防ぐ手段として、遺言の作成をお勧めします。法務局において、自筆証書遺言を保管する制度が始まっています。この制度を利用した場合、家庭裁判所の検認の手続は必要ありません」
  2. 「遺言により、相続財産の大半を妻Bさんおよび長男Cさんが相続した場合、長女Dさんの遺留分を侵害するおそれがあります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額を6億円とした場合、長女Dさんの遺留分の額は1億5,000万円となります」
  3. 「長男CさんがX社本社敷地を相続により取得し、当該敷地について、特定同族会社事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、当該敷地(相続税評価額6,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を1,200万円とすることができます」

①→○

②→×

③→×

①の解説

  • 「遺産分割をめぐる争いを防ぐ手段として、遺言の作成をお勧めします。法務局において、自筆証書遺言を保管する制度が始まっています。この制度を利用した場合、家庭裁判所の検認の手続は必要ありません」

適切です。

自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、法務局で保管されることになります。本制度を利用した場合、家庭裁判所の検認は必要なくなります。

遺言とは

種類 自筆証書遺言 自筆証書遺言保管制度 公正証書遺言 秘密証書遺言
遺言可能条件 15歳以上、かつ意思能力がある
証人 不要 2人以上必要
保管場所 自身で保管 法務局 公証役場 自身で保管
検認場所 家庭裁判所 不要 不要 家庭裁判所

②の解説

  • 「遺言により、相続財産の大半を妻Bさんおよび長男Cさんが相続した場合、長女Dさんの遺留分を侵害するおそれがあります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額を6億円とした場合、長女Dさんの遺留分の額は1億5,000万円となります」

不適切です。

今回の場合遺留分の額は7,500万円となります。

遺留分の計算方法は下記です。

遺留分の計算方法

対象者 遺留分
相続人が直系尊属のみ 法定相続分の1/3
その他 法定相続分の1/2

今回はその他に当たるため長女Dさんの遺留分は法定相続分の2分の1です。

遺留分を算定するための財産の価額が6億円なので、まずは法定相続分を求めます。

  相続割合 法定相続分
妻Bさん 2分の1 3億円
長男Cさん 4分の1 1億5,000万円
長女Dさん 4分の1 1億5,000万円

よって遺留分はさらに2分の1なので『1億5,000万円×1/2=7,500万円』となります。


③の解説

  • 「長男CさんがX社本社敷地を相続により取得し、当該敷地について、特定同族会社事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、当該敷地(相続税評価額6,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を1,200万円とすることができます」

不適切です。

2,800(万円)が適切です。

小規模宅地等の評価減の限度面積と減額割合は下記です。

小規模宅地等の評価減の限度面積と減額割合

  限度面積 減額割合
特定事業用宅地等 400㎡ 80%
特定同族会社事業用宅地等 400㎡ 80%
貸付事業用宅地等 200㎡ 50%
特定居住用宅地等 330㎡ 80%

今回相続する土地は600㎡ですが特定同族会社事業用宅地等は400㎡まで、かつ80%の減額割合になります。

それぞれ分けると下記になります。

評価減を受けられる部分→6,000万円×(1−0.8)×400/600=800万円

評価減を受けられない部分→6,000万円×200/600=2,000万円

よって800万円+2,000万円=2,800万円が相続税の課税価格に参入すべき価額となります。

michi
michi

計算式がよく分からない場合は、まず6,000万円÷600㎡で1㎡あたりの単価を出して、400㎡を8割減で計算、残りの200㎡をそのままで計算すると分かりやすいです。

解説は以上で終了です。お疲れさまでした。

解説終了

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続けて2021年5月学科試験を解きたい。
続けて2021年5月きんざい実技試験:生保顧客資産相談業務を解きたい。
続けて2021年5月日本FP協会実技試験を解きたい。

FP2級試験(実技)個人資産相談業務2021年5月 きんざい主催

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