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- 本記事の内容
- 『2019年5月実施』FP3級実技試験【個人資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】
Q.11
先に下記の資料をご覧ください。(Q10.11.12で使います)
甲土地の売却に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、取得費は、父親の相続に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入された金額(相続税評価額)となります」
- 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えていますので、当該譲渡による譲渡所得については、長期譲渡所得に区分されます」
- 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡所得金額が6,000万円以下の部分について、所得税および復興特別所得税10.21%、住民税4%の軽減税率が適用されます」
2が適切
- 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、取得費は、父親の相続に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入された金額(相続税評価額)となります」
不適切です。
相続税評価額ではなく、あくまでもともとの購入費用や購入手数料から算出します。
売った土地建物の中には相続や贈与により取得したものもあります。この場合の取得費は、被相続人や贈与者がその土地建物を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。
相続や贈与によって取得した資産の取得費:国税庁HPより引用
- 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えていますので、当該譲渡による譲渡所得については、長期譲渡所得に区分されます」
適切です。
michi
もうちょっと分かりやすく言うと、譲渡日から1月1日が6回来れば長期、5回以下なら短期です。指で数えると確実ですよ。
- 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡所得金額が6,000万円以下の部分について、所得税および復興特別所得税10.21%、住民税4%の軽減税率が適用されます」
不適切です。
本資料Aさんの土地は自己の居住用財産ではない(もともと住んでいない)ので、軽減税率は適用されません。
また貸し駐車場にしている点でも要件を外れています。
- 自分が住んでいる家屋を売る、家屋と共にその敷地や借地権を売る
- 今住んでいない場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る
- 家屋を取り壊した場合は、その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 家屋を取り壊した場合は、家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと
- 譲渡した相手が配偶者、直系血族、生計を一にしている、同族会社などの特別な関係でないこと
- 前年、前々年に本特例、特定の居住用財産の買い換え特例、譲渡損失の繰り越し控除の特例を受けていない
詳しくはNo,3302マイホームを売った時の特例(国税庁)をご覧ください。
- 居住用財産の3,000万円特別控除の特例の要件を満たしている
- 譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えていること
- 家屋を取り壊した場合は、取り壊された家屋およびその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること
michi
軽減税率の特例のポイントは所有期間10年です。
これにさらに居住期間10年の要件などがプラスされると、買換え特例とどちらか選べる形になります。