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- 本記事の内容
- 『2021年1月実施』FP3級実技試験【個人資産相談業務】の過去問の解説です。
【きんざい】
Q.12
先に下記の資料をご覧ください。(Q10.11.12で使います)
Aさんに対するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
- 「等価交換方式とは、Aさんが所有する土地の上に、事業者が建設資金を負担してマンション等を建設し、完成した建物の住戸等をAさんと事業者がそれぞれの出資割合に応じて取得する手法です」
- 「甲土地と乙土地を一体とした土地に賃貸マンションを建築する場合、乙土地単独での有効活用に比べて、上限となる容積率が大きくなります」
- 「甲土地の前面道路(幅員10mの公道)の相続税路線価は、1㎡当たりの価額が300万円であることを示しています」
3が不適切
- 「等価交換方式とは、Aさんが所有する土地の上に、事業者が建設資金を負担してマンション等を建設し、完成した建物の住戸等をAさんと事業者がそれぞれの出資割合に応じて取得する手法です」
適切です。
デベロッパーに土地を一旦すべて譲渡し、建物完成後に土地価格に見合う分の建物の区分所有権とその敷地利用権を得る方式です。
建築前 | 建築後 | |
土地 | 地主→デベロッパー | デベロッパー→一部地主 |
建物 | デベロッパー | デベロッパー→一部地主 |
土地所有権を先渡ししてしまうので、建物完成までは権利が無くなってしまいます。
また不動産を新たに取得する扱いになってしまうので、不動産取得税や登録免許税がかかってしまいます。
建物完成後、その土地の一部の所有権をデベロッパーに、その建物の一部の区分所有権を地主に譲渡します。
建築前 | 建築後 | |
土地 | 地主 | 地主→一部デベロッパー |
建物 | デベロッパー | デベロッパー→一部地主 |
通常は部分譲渡方式が採用されます。ただし土地と建物の価値のすり合わせ等で時間がかかるのがデメリットです。
- 「甲土地と乙土地を一体とした土地に賃貸マンションを建築する場合、乙土地単独での有効活用に比べて、上限となる容積率が大きくなります」
適切です。
設問の場合土地を1つとして考えたとき、面している道路が2つになります。
その場合もっとも幅の広いものが採用されるため10mが前面道路の幅員です。
計算すると下記になります。
指定容積率 | 400% |
前面道路の幅員による容積率の制限 | 10m×6/10×100%=600% |
上記で低い方が採用されるので容積率は400%です。
問10より乙土地単体では容積率は300%なので、設問は正しいことが分かります。
- 「甲土地の前面道路(幅員10mの公道)の相続税路線価は、1㎡当たりの価額が300万円であることを示しています」
不適切です。
路線価における1㎡あたりの単位は千円なので、300Cは30万円です。
ちなみにアルファベットのC(70%)は借地権割合のことです。
そもそも借りている土地には2つの権利があります。
- 所有権(底地)→地主の権利
- 借地権(借地)→借主の権利
借地権割合とはその土地のうちに借地がどれくらいの割合かを示す値です。
この借地権は相続などの時に財産として評価されるので、借地権割合によって評価額が変わります。