FP3級【日本FP協会実技】2019年9月【問12】

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本記事の内容
『2019年9月実施』FP3級実技試験の過去問の解説です。
【日本FP協会】

Q.12

会社員の井上太一さんが、2019年中に支払った医療費等が下記<資料>のとおりである場合、太一さんの2019年分の所得税の確定申告における医療費控除の金額として、正しいものはどれか。なお、太一さんの所得は給与所得700万円のみであり、妻および長女は太一さんと生計を一にしている。また、医療費控除の金額が最も大きくなるよう計算すること。

2019年9月実施FP3級実技試験第12問の資料

(※1)人間ドックの結果、特に重大な疾患等は発見されなかった。
(※2)保険金等により補てんされた金額はないものとする。また、自己の都合により差額ベッドを使用し、差額ベッド料を支払った。

  1.  70,000円
  2.  130,000円
  3.  160,000円

1が適切

70,000円が適切です。

今回のポイントは下記です。

  1. 医療費控除対象外のもの
  2. 医療費控除の計算式

順に見ていきましょう。


1の解説

  • 医療費控除対象外のもの

今回の支払い料金のうち医療費控除対象外のものは下記です。

  • 重大な病気が発見されない人間ドック代→80,000円
  • 差額ベッド代→60,000円
  • 健康増進のためのビタミン剤の購入代→10,000円

よって今回医療費控除対象になるのは、差額ベッド代を差し引いた入院費用170,000円のみとなります。


2の解説

  • 医療費控除の計算式

医療費控除の計算式は下記です。

医療費控除の計算式

年間所得 計算式
200万円以上 実際に支払った医療費-保険金などで補填される金額-10万円
200万円未満 総所得×5%

今回は太一さんの所得が700万円なので【200万円以上】の計算式を使います。

また保険金などが支給されている文言はないので、保険金などで補填されている金額はありません。

よって今回の医療費控除は下記になります。

170,000円-100,000円=70,000円


医療費控除の対象

医療費控除の対象
医療費控除対象外
  • 病院での診療費、治療費、入院費
  • 医師の処方箋をもとにした医薬品の費用
  • 市販の風邪薬、下痢止め薬
  • 治療に必要な医療器具の購入費
  • 通院に必要な交通費(公共交通機関)
  • 介護保険の対象となる介護費用
  • 人間ドック(重大な病気が発見された場合)など
  • 市販の漢方薬、目薬、発毛剤
  • 健康食品、サプリメントなど
  • 予防注射の費用
  • 美容整形の費用
  • マイカー通院のガソリン代や駐車料金
  • 自身の都合による差額ベッド代
  • 里帰り出産のための交通費
  • 人間ドック(病気が発見されない)

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