FP2級【学科】2022年1月【問43】

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本記事の内容
『2022年1月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】

Q.43

不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。

  1. 買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主は受領した解約手付を返還して当該契約の解除をすることができる。
  2. 売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しないことを知りながら、売買契約の目的物を買主に引き渡した場合、買主は、その不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。
  3. 売買の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に台風等の天災によって滅失した場合、買主は売買代金の支払いを拒むことができない。
  4. 売買契約締結後、買主の責めに帰さない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。

4が適切

1の解説

  • 買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主は受領した解約手付を返還して当該契約の解除をすることができる。

不適切です。

売主側から解約する場合は解約手付の2倍の代金を返還する必要があります。

不動産売買の手付金について

買主側から解約 手付金を放棄
売主側から解約 手付金の倍額を買主に返す

2の解説

  • 売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しないことを知りながら、売買契約の目的物を買主に引き渡した場合、買主は、その不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。

不適切です。

売主が事前に知っている状況(悪意)であれば1年以内という期間に限定されません。

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

民法第566条

3の解説

  • 売買の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に台風等の天災によって滅失した場合、買主は売買代金の支払いを拒むことができない。

不適切です。

引渡し前であれば支払いを拒むことができます。

michi
michi

滅失が建物引き渡しの前か後かで決まります。

建物の引き渡しを受けている場合は、代金決済前であっても支払い義務が発生します。


4の解説

  • 売買契約締結後、買主の責めに帰さない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。

適切です。

民法における契約不適合責任について

  買主に帰責事由 双方帰責事由なし 売主に帰責事由
損害賠償 × ×
解除 ×
追完請求 ×
代金減額 ×

分かりやすく言うと

  • 買主に問題がある→買主は何もできない
  • 売主に問題がある→買主は救済される
  • お互い問題が無い→買主は損害賠償以外は可能

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