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- 本記事の内容
- 『2022年1月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】
Q.54
贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 暦年課税に係る贈与税額の計算上、適用される税率は、超過累進税率である。
- 子が同一年中に父と母のそれぞれから贈与を受けた場合、同年分の子の暦年課税に係る贈与税額の計算上、課税価格から控除する基礎控除額は、各贈与者につき最高110万円となる。
- 妻が夫から受けた贈与について贈与税の配偶者控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の夫から贈与を受けても、再び贈与税の配偶者控除の適用を受けることはできない。
- 相続時精算課税制度に係る贈与税額の計算上、適用される税率は、一律20%である。
2が不適切
- 暦年課税に係る贈与税額の計算上、適用される税率は、超過累進税率である。
適切です。
超過累進税率とは
課税額を区分を設定し、区分ごとに高い税率を適用する制度
例えば100万円までを5%、200万円までを10%、300万円までを20%の税率すると、課税額が300万円だった場合、~100万円の部分に対して5%の税率、100万円超200万円までを10%税率、200万円超300万円までの部分を20%の税率が適用されます。
単純累進税率とは
課税額に応じて税率を引き上げる制度
例えば100万円までを5%、200万円までを10%、300万円までを20%の税率とすると、課税額が300万円だった場合、300万円すべてに対して20%の税率が適用されます。※今は使われていない制度です。
比例税率
課税標準の大きさに関係なく一定の税率を適用する制度
例えば1万円でも100万円でも税率が同じということです。
- 子が同一年中に父と母のそれぞれから贈与を受けた場合、同年分の子の暦年課税に係る贈与税額の計算上、課税価格から控除する基礎控除額は、各贈与者につき最高110万円となる。
不適切です。
贈与者ではなく受贈者の基礎控除額が最高110万円です。
michi
贈与税はもらった側が支払う税金なので、控除の対象も同じです。
本設問の場合は子が受贈者(もらう側)です。
よって子に対して基礎控除110万円があります。
- 妻が夫から受けた贈与について贈与税の配偶者控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の夫から贈与を受けても、再び贈与税の配偶者控除の適用を受けることはできない。
適切です。
贈与税の配偶者控除とは
- 居住用不動産、購入資金のみ適用される最高2,000万円まで
- 基礎控除110万円も別に受けられる
- 婚姻期間が20年以上(内縁関係は不可)
- 贈与の年の翌年の3月15日までに居住し、住み続ける必要がある
- 同じ配偶者からは1回きりしか受けられない
- 贈与税額がゼロになっても確定申告が必要
michi
この表は頻出なのでしっかり覚えましょう!
- 相続時精算課税制度に係る贈与税額の計算上、適用される税率は、一律20%である。
適切です。
要件 | ||
税務署への届け出 | 贈与年の翌年2月1日から3月15日まで | |
贈与者 | 贈与年の1月1日時点で60歳以上の父母、祖父母であること | |
受贈者 | 贈与年の1月1日時点で20歳以上の推定相続人である子、孫であること | |
対象 | 贈与者1人につき2,500万円まで非課税、超えた分は一律20%の税率 |