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- 本記事の内容
- 『2022年1月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】
Q.44
民法および借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第38条による定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、記載された特約以外のものについては考慮しないものとする。不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなければ、賃貸人に対し、更新しない旨の通知をすることができない。
- 賃借人は、建物の引渡しを受けた後にこれに生じた損傷であっても、通常の使用および収益によって生じた建物の損耗ならびに経年変化によるものである場合、賃貸借が終了したときに、その損傷を原状に復する義務を負わない。
- 定期借家契約を締結するときは、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
- 定期借家契約において、経済事情の変動があっても賃貸借期間中は賃料を増減額しないこととする特約をした場合、その特約は有効である。
1が不適切
- 期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなければ、賃貸人に対し、更新しない旨の通知をすることができない。
不適切です。
設問は賃貸人(大家さんなど)についての内容です。
借りる側は期間満了の1年前から6カ月前に更新しない旨を通知すれば事足ります。
michi
『期間の定めがある』とは1年以上の契約期間がある普通借家契約のことです。
- 賃借人は、建物の引渡しを受けた後にこれに生じた損傷であっても、通常の使用および収益によって生じた建物の損耗ならびに経年変化によるものである場合、賃貸借が終了したときに、その損傷を原状に復する義務を負わない。
適切です。
賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
民法第621条
- 定期借家契約を締結するときは、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
適切です。
普通借地権 | 制限なし |
一般定期借地権 | 書面(公正証書等) |
事業用定期借地権 | 公正証書 |
建物譲渡特約付借地権 | 制限なし |
普通借家権 | 制限なし |
定期借家権 | 書面(公正証書等) |
michi
公正証書『等』なので注意です。
- 定期借家契約において、経済事情の変動があっても賃貸借期間中は賃料を増減額しないこととする特約をした場合、その特約は有効である。
適切です。
定期借家権であれば特約は有効です。
michi
ちなみに普通借家権の場合は減額請求権を特約で排除することはできません。(要するに困っているから賃料下げてください。というお願いを特約で排除できない)
逆に経済事情の変動で賃料を増やさないという特約は有効です。