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- 本記事の内容
- 『2021年5月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】
Q.54
相続人が負担した次の費用等のうち、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から債務控除することができるものはどれか。なお、債務控除を受けるために必要とされる他の要件はすべて満たしており、2020年10月に相続が開始したものとする。
- 被相続人が生前に購入した墓碑の購入代金で、相続開始時点で未払いのもの(負担した相続人が非居住無制限納税義務者である場合)
- 被相続人に係る初七日および四十九日の法要に要した費用のうち、社会通念上相当と認められるもの(負担した相続人が居住無制限納税義務者である場合)
- 被相続人が所有していた海外の不動産に係る公租公課で、被相続人が負担すべきもののうち、納付期限が到来していて未払いのもの(負担した相続人が居住制限納税義務者である場合)
- 被相続人が所有していた国内不動産に係る固定資産税のうち、相続開始時点で納税義務は生じているが、納付期限が到来していない未払いのもの(負担した相続人が相続または遺贈により財産を取得していない相続時精算課税適用者で、かつ、居住者である場合)
4が適切
- 被相続人が生前に購入した墓碑の購入代金で、相続開始時点で未払いのもの(負担した相続人が非居住無制限納税義務者である場合)
不適切です。
墓碑の購入代金で未払いのものは債務控除できません。
michi
そもそも墓碑や仏具は非課税財産なので債務控除の対象外です。
- 被相続人に係る初七日および四十九日の法要に要した費用のうち、社会通念上相当と認められるもの(負担した相続人が居住無制限納税義務者である場合)
不適切です。
初七日および四十九日法要の費用は債務控除できません。
michi
イメージとしては『通常の葬式にかかった費用』以外は債務控除できないといったところです。
主に控除できるもの | 主に控除できないもの | |
債務 |
未払いの税金 未払いの医療費 借入金 連帯債務 特別寄与料 |
墓地、墓石の未払金、購入費用 保証債務 団体信用生命保険つきの住宅ローン 遺言執行費用 |
葬式費用等 |
通夜、告別式の費用 お布施、戒名料、読経料 遺体の捜索、運搬費用 |
香典返し 法事(初七日、四十九日など) |
- 被相続人が所有していた海外の不動産に係る公租公課で、被相続人が負担すべきもののうち、納付期限が到来していて未払いのもの(負担した相続人が居住制限納税義務者である場合)
不適切です。
被相続人が居住制限納税者である場合は、国外の保有財産は課税対象外です。
納税義務の種類 | 住所 | 課税対象 | |||
国内保有財産 | 国外保有財産 | 相続時資産課税適用財産 | |||
無制限納税義務者 | 居住無制限納税義務者 | 国内 | ○ | ○ | ○ |
非居住制限納税義務者 | 相続時は国外だが、相続が発生する前の5年以内に国内に住所があった | ○ | ○ | ○ | |
居住制限納税義務者 | 国外 | ○ | ー | ○ | |
特定納税義務者 | ー | ー | ー | ○ |
相続税における「制限納税義務者」とは?(外部リンク)より引用
- 被相続人が所有していた国内不動産に係る固定資産税のうち、相続開始時点で納税義務は生じているが、納付期限が到来していない未払いのもの(負担した相続人が相続または遺贈により財産を取得していない相続時精算課税適用者で、かつ、居住者である場合)
適切です。
被相続人に納税義務がある未納の固定資産税は債務控除の対象です。