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- 本記事の内容
- 『2021年5月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】
Q.7
公的年金の老齢給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 国民年金の保険料免除期間は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)には算入されない。
- 老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。
- 65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が47万円(2020年度価額)を超える場合、経過的加算部分等を除いた年金額の全部または一部が支給停止となる。
- 老齢厚生年金の加給年金額対象者である配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が10年以上である特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得したときは、当該配偶者に係る加給年金額は支給停止となる。
3が適切
- 国民年金の保険料免除期間は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)には算入されない。
不適切です。
免除期間も受給資格期間に算入されます。
受給資格期間 | 老齢基礎年金額 | |
法定免除 | ○ | 1/2反映 |
申請免除 | ○ | 区分によって1/2~7/8反映 |
学生納付特例制度 | ○ | × |
納付猶予制度 | ○ | × |
○→算入される、×→反映されない
ちなみに学生納付特例制度、納付猶予制度は受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません。追納が必要になります。
- 老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。
不適切です。
繰り下げ受給は別々で可能です。
繰り上げ受給 | 繰り下げ受給 | |
対象年齢 | 60歳から65歳になるまでの5年間 | 65歳から70歳になるまでの5年間 |
受給額の変化 | ひと月につき0.5%減額(最大30%) | ひと月につき0.7%増額(最大42%) |
条件 | 基礎年金、厚生年金同時が必須 | 基礎年金、厚生年金と別々が可能 |
- 65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が47万円(2020年度価額)を超える場合、経過的加算部分等を除いた年金額の全部または一部が支給停止となる。
適切です。
年齢 | 調整開始額 |
60歳~64歳 | 総報酬月額+基本月額が28万円を超えるとき |
65歳~69歳 | 総報酬月額+基本月額が47万円を超えるとき |
65歳~69歳 | 65歳~69歳と同じですが、年金保険料の負担はありません |
- 老齢厚生年金の加給年金額対象者である配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が10年以上である特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得したときは、当該配偶者に係る加給年金額は支給停止となる。
不適切です。
加給年金が停止になる厚生年金の被保険者期間は20年以上です。
ただし受給権を取得していても、じっさいに老齢給付等を受給していなければ加給年金は支給停止されません。
(1)旧厚生年金保険法、旧船員保険法の老齢年金および障害年金を受給
(2)国民年金法の障害基礎年金および旧国民年金法の障害年金を受給
(3)各種共済組合等の退職共済年金および障害共済年金、退職年金および障害年金等を受給
※ 老齢および退職を事由とする年金は、加入期間が20年(厚生年金保険法の中高齢者の特例に該当する方を含む)以上あるものに限ります。
ちなみにちょっと難しい部分ですが、加給年金の支給停止ルールが令和4年4月から変わります。
具体的には配偶者が20年以上の被保険者期間がある老齢厚生年金等の受給権を有している場合は加給年金は停止されますが、配偶者の老齢厚生年金等が全額支給停止しているときは加給年金の停止条件が解除されます(要するに配偶者自身が在職老齢年金制度によって老齢厚生年金等をもらっていなければ、加給年金がもらえる)
しかしながらほんの少しでも老齢厚生年金等が支給されていれば加給年金が停止されることに比べて、在職老齢年金制度により高所得で老齢厚生年金が支給停止されている場合は、加給年金が受給できるといった不公平が生じています。
これを是正する目的で配偶者の20年以上の被保険者期間がある老齢厚生年金等が全額支給停止しているときであっても、加給年金の停止条件は解除されなくなります(要するに配偶者自身が在職老齢年金制度によって老齢厚生年金等をもらっていなくても、加給年金がもらえなくなる)