FP2級【学科】2021年5月【問28】

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本記事の内容
『2021年5月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】

Q.28

一般NISA(非課税上場株式等管理契約に係る少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、一般NISAにより投資収益が非課税となる非課税口座を一般NISA口座という。

  1. 一般NISA口座で保有することができる金融商品には、米国株式も含まれる。
  2. 一般NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
  3. 一般NISA口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡損失の金額は、確定申告を行うことにより、同一年中に特定口座や一般口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡益の金額と通算することができる。
  4. 2021年末に一般NISAの非課税期間が終了した場合において、その終了時に当該一般NISA口座で保有する金融商品の時価が120万円を超えていても、その全額を2022年の一般NISA口座に設定される非課税管理勘定に移すことができる。

3が不適切

1の解説

  • 一般NISA口座で保有することができる金融商品には、米国株式も含まれる。

適切です。


2の解説

  • 一般NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。

適切です。

配当金の受け取り方法

  配当金 譲渡益 概要
株式数比例配分方式 非課税 非課税 証券口座に配当金が入金される
登録配当金受領口座方式 課税 指定した銀行口座にすべての配当金が入金される
個別銘柄指定方式 個別の保有銘柄ごとに銀行口座を指定する
配当金領収証方式 配当金領収書を金融機関に持参し換金する

3の解説

  • 一般NISA口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡損失の金額は、確定申告を行うことにより、同一年中に特定口座や一般口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡益の金額と通算することができる。

不適切です。

NISAの譲渡損失は損益通算できません。


4の解説

  • 2021年末に一般NISAの非課税期間が終了した場合において、その終了時に当該一般NISA口座で保有する金融商品の時価が120万円を超えていても、その全額を2022年の一般NISA口座に設定される非課税管理勘定に移すことができる。

適切です。

このことをロールオーバーと言います。


令和5年度税制改正の大綱等において、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。

実際には下記のように改正されます。この問題の知識は使えなくなるので注意してください。

2023年までのNISA

一般NISAつみたてNISAジュニアNISA(20歳未満)
非課税期間5年間20年間5年間
※ただし、2023年末以降に非課税期間が終了するものについては、20歳まで非課税で保有を継続可能
年間非課税枠120万円40万円80万円
投資可能商品上場株式・ETF・公募株式投信・REITなど長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託一般NISAと同じ
買付方法通常の買付け積立投資(累積投資契約に基づく買付け)のみ一般NISAと同じ
払出し制限なしなしあり(18歳までは払い出せない)
※災害等やむを得ない場合には、非課税での払出し可能。
2023年までのNISA比較表

注意

現行のNISA制度は2023年に終了し、2024年からは新NISAに移行します。

現NISAから新NISAへはロールオーバー(移管)できませんが、現行制度の非課税措置期間は引き続き適用されるため、2024年以降そのまま保有していても、最大5年(一般NISA、ジュニアNISA)および最大20年(つみたてNISA)は課税されません。

2024年以降のNISA

つみたて投資枠成長投資枠
非課税期間無期限無期限
口座開設期間恒久化恒久化
年間投資枠120万円240万円
非課税保有限度枠1,800万円(成長投資枠と合わせて)1,200万円(内数)
※例1 つみたて投資枠600万円+成長投資枠1,200万円=計1,800万円
※例2 つみたて投資枠1,000万円+成長投資枠800万円=計1,800万円
投資可能商品積立・分散投資に適した一定の投資信託
※現行のつみたてNISAと同じ
上場株式・投資信託等
※整理、管理銘柄、信託期間20年未満、高レバレッジ型および毎月分配型の投資信託等を除外
対象年齢18歳以上18歳以上
2024年からのNISA比較表

※ジュニアNISAは廃止されました。

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