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- 本記事の内容
- 『2021年5月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】
Q.36
個人事業税の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 個人事業税の徴収は、特別徴収の方法による。
- 個人事業税の標準税率は、一律3%である。
- 個人事業税の課税標準の計算上、事業主控除として最高390万円を控除することができる。
- 医業などの社会保険適用事業に係る所得のうち社会保険診療報酬に係るものは、個人事業税の課税対象とならない。
4が適切
- 個人事業税の徴収は、特別徴収の方法による。
不適切です。
個人事業主税は普通徴収にて納税します。
納税方法 | 主な地方税 | |
普通徴収 | 納税者自身で納める方法 | 個人事業税、不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税など |
特別徴収 | 事業者が納税者の代わりに収める方法 |
住民税(普通徴収に切り替えも可) ゴルフ場利用税、入湯税など |
michi
『普通徴収』『特別徴収』という言葉は地方税の徴収の際に使います。
- 個人事業税の標準税率は、一律3%である。
不適切です。
税率は事業により3%~5%です。
税率 | 主な業種 | |
第1種事業(37業種) | 5% | 物品販売業、製造業、料理店業、請負業、出版業など |
第2種事業(3業種) | 4% | 畜産業、水産業、薪炭製造業 |
第3種事業(30業種) | 5% | 医業、弁護士業、コンサルタント業、デザイン業、クリーニング業など |
3% | あんま・マッサージ、柔道整復・その他の医療 |
michi
ちなみに文筆系、プログラマー系の業種は個人事業税の納税義務がありませんが、純粋にそれだけの業務をしている人は稀です。何らかの形で上記の業種に該当する場合がほとんどですね。
- 個人事業税の課税標準の計算上、事業主控除として最高390万円を控除することができる。
不適切です。
控除の最高額は290万円です。
michi
事業年が1年に満たない場合は月割りで計算されます。
- 医業などの社会保険適用事業に係る所得のうち社会保険診療報酬に係るものは、個人事業税の課税対象とならない。
適切です。
ただし、租税特別措置法第二十八条の四の規定の例によらないものとし、第七十二条の二第十項第一号から第五号までに掲げる事業を行う個人が社会保険診療(第七十二条の二十三第三項に規定する社会保険診療をいう。以下この項において同じ。)につき支払を受けた金額は、総収入金額に算入せず、また、当該社会保険診療に係る経費は、必要な経費に算入しない。
地方税法第72条の49の12
- 個人事業主が払う税金
- 地方税、直接税
- 全額経費計上可能
- 税率は業種により3%~5%
- 事業主控除として290万円
- 青色申告特別控除の適用はない
- 白色、青色申告者の損失の繰り越し控除の適用はある(損失があった翌年から3年間)
michi
つまり年間売り上げが290万円以下の場合、個人事業税はゼロとなります。