FP2級【日本FP協会実技】2021年9月【問16】

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本記事の内容
『2021年9月実施』FP2級実技試験の過去問の解説です。
【日本FP協会】

Q.16

飲食店を営む個人事業主の明石さんは、2021年4月に器具・備品を購入し、事業の用に供している。明石さんの2021年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額として、正しいものはどれか。なお、器具・備品の取得価額は60万円、2021年中の事業供用月数は9ヵ月、耐用年数は5年とする。また、明石さんは個人事業を開業して以来、器具・備品についての減価償却方法を選択したことはない。

2021年9月実施FP2級実技試験第16問の資料
  1.  90,000円
  2.  120,000円
  3.  180,000円
  4.  240,000円

1が適切

90,000円が適切です。

今回のポイントは下記です。

  1. 定額法と定率法の違いについて
  2. 減価償却費の計算

順に見ていきましょう。

1の説明

  • 定額法と定率法の違いについて

定額法と定率法の違いは下記です。

所得税と法人税での減価償却方法の違い

  所得税(個人事業主) 法人税(法人)
原則 選択可能か 原則 選択可能か
建物 定額法 × 定額法 ×
建物付属設備 定額法 × 定額法 ×
構築物 定額法 × 定額法 ×
機械装置 定額法 定率法 定率法 定額法
車両運搬具 定額法 定率法 定率法 定額法
工具・器具・備品 定額法 定率法 定率法 定額法
ソフトウェア 定額法 × 定額法 ×

つまり個人事業主の場合、備品の減価償却は原則定額法で計算します。

michi
michi

問題にも『減価償却方法を選択したことはない』と書かれています。


2の説明

  • 減価償却費の計算

減価償却費の計算をしていきましょう。

資料は1年間の償却率です。

よって1年間の減価償却費は下記になります。

60万円×0.2=12万円

設問では事業共用年数9カ月の減価償却費を問うているので、まずは1カ月分を求めます。

12万円÷12カ月=1万円

よって9カ月の減価償却費は1万円×9カ月=90,000円となります。

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