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『2020年9月実施』FP2級実技試験の過去問の解説です。
【日本FP協会】
Q.21
下記の相続事例(2020年7月15日相続開始)における相続税の課税価格の合計額を計算しなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
4,000万円
本設問のポイントは3つです。
- 死亡保険金の非課税限度額
- 債務控除
- 相続税の基礎控除との関係
順に見ていきましょう。
まず前提として相続税の課税価格の計算式は下記です。
- 遺産総額-債務控除
遺産総額を紐解くと下記になります。
- 土地→1,200万円
- 建物→700万円
- 現預金→1,000万円
- 死亡保険金→3,000万円
このなかで死亡保険金には非課税限度額があり、別個で控除が出来ます。
【ポイント1】
死亡保険金の非課税限度額の計算式は下記です。
- 500万円×法定相続人
今回相続人は配偶者、長女、次女の3人です。
よって500万円×3人=1,500万円が非課税限度額になります。
計算すると
3,000万円-1,500万円=1,500万円が死亡保険金の相続税の課税価格と分かります。
よって総額は1,200万円+700万円+1,000万円+1,500万円=4,400万円となります。
【ポイント2】
債務控除とは相続または遺贈により財産を取得したものが、相続にかかわる費用を負担した場合に控除できるものです。
今回は債務および葬式費用400万円を債務控除できます。
ちなみに下記のように控除できないものあるので注意です。
控除できるもの | 控除できないもの | |
債務 | 未払いの税金
未払いの医療費 借入金 |
墓地、墓石の未払金、購入費用
保証債務 遺言執行費用 |
葬式費用等 | 通夜、告別式の費用
お布施、戒名料、読経料 遺体の捜索、運搬費用 |
香典返し
法事(初七日、四十九日など) |
債務の詳細がないので、本当は400万円全額控除できるかは分かりません(笑)
michi
それでは今までの答えをもとに計算式に当てはめていきますね。
4,400万円(遺産総額)-400万円(債務控除)=4,000万円が本設問の答えです。
【ポイント3】
ちなみに相続税の基礎控除はどうなっているの?という疑問を解決します。
本設問は『相続税の課税価格の合計額を計算しなさい』とあります。
じつは相続税の基礎控除は本設問のあとの部分にあたります。
- 課税価格の合計額を計算する
- 基礎控除額を計算する
- 1から2を引いて、課税遺産総額が決定される
こんな順番です。
なので本設問に基礎控除を入れてはいけないことが分かります。
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