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- 本記事の内容
- 『2021年5月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】
Q.38
次のうち、法人税の計算上、法人(保険会社等を除く)の当期利益の額から申告調整時に益金不算入として、減算することができるものはどれか。
- 欠損金の繰戻しにより受け取る法人税額の還付金
- 法人税の確定額よりも中間納付額が多い場合に受け取る法人税額の還付加算金(所定の日数に応じて法人税額の還付金の額に一定の割合を乗じて加算されるもの)
- 内国法人から受け取る非支配目的株式等の配当等の額の80%相当額
- 内国法人から受け取る完全子法人株式等、関連法人株式等および非支配目的株式等のいずれにも該当しない株式等の配当等の額の全額
1が適切
会計上の利益と法人税の課税所得は必ずしも一致しないので、この部分の調整を行なうこと。
- 会計上の利益→収益-費用
- 法人税の課税所得→益金-損金
※例えば交際費などは会計上は費用になりますが、税務上は損金にはならない(なる部分もあります)というようなことです。
- 欠損金の繰戻しにより受け取る法人税額の還付金
適切です。
今期に赤字が出た場合その赤字を前期に繰り戻して、納税した法人税から還付を請求できること。
michi
イメージとしては今期の赤字を前期に押し付けるような感じですね。
そうなると前期の黒字が減ることになるので、余分に収めた法人税が戻ってくるという仕組みです。
当然ながらこの還付金はそもそも所得が発生していない分なので、課税されないことが分かります。
- 資本金額1億円以下のいわゆる中小企業者等であること。
- 前期、当期連続して青色申告書を提出していること。
- 提出期限を守っていること。
- 法人税の確定額よりも中間納付額が多い場合に受け取る法人税額の還付加算金(所定の日数に応じて法人税額の還付金の額に一定の割合を乗じて加算されるもの)
不適切です。
還付加算金は益金不算入にできません。
税金が還付される際における利子のようなもの。
michi
税金を滞納や延納すると利子税や延滞税が発生しますが、その反対パターンで前払いした税金に対してつく利息のようなものです。よってこの部分は利益になるので益金に算入しなければなりません。
- 内国法人から受け取る非支配目的株式等の配当等の額の80%相当額
不適切です。
非支配目的株式等は20%相当額を益金不算入にできます。
株式等の区分 | 株式保有割合 | 受取配当の額 |
完全子法人株式等 | 100% | 全額益金不算入 |
関連法人株式等 | 3分の1超100%未満 | 全額益金不算入-負債利子の控除 |
その他の株式等 | 5%超3分の1以下 | 50%益金不算入 |
非支配目的株式等 | 5%以下 | 20%益金不算入 |
証券投資信託 | 100%益金算入 |
- 内国法人から受け取る完全子法人株式等、関連法人株式等および非支配目的株式等のいずれにも該当しない株式等の配当等の額の全額
不適切です。
その他の株式等(株式保有割合5%超3分の1以下)は50%相当額を益金不算入にできます。