
アサヒホールディングス株が高配当と聞きました。いま注目の環境分野、貴金属リサイクルや産業廃棄物処理で業績を上げているみたい。おすすめポイントやデメリットもあれば教えてください。
こんなお悩みを解決します。
注意
本記事の内容はあくまで個人的見解です。投資助言や勧誘を目的としていません。
リスクを考慮した上、ご自身の判断で投資を行ってください。いかなる損失についても責任を負いかねます。
また、記事内のデータはすべて執筆時のものです。最新の情報は各社のIRをチェックしてください。
- 本記事の内容
- アサヒホールディングスとは
アサヒホールディングス株のおすすめポイント
アサヒホールディングス株のデメリット
アサヒホールディングスの株価の推移
アサヒホールディングス株の配当金、配当利回り、配当性向
アサヒホールディングスの売上の推移
アサヒホールディングスのキャッシュフロー
アサヒホールディングス株の評判、口コミ
アサヒホールディングス株の購入方法
アサヒホールディングスのよくある質問
アサヒホールディングス株以外のおすすめ高配当銘柄
今回はアサヒホールディングス株について解説いたします。
- 2022年度の売上、営業利益が好調
- この10年で配当額が3倍以上
- 過去一度も減配がない
- 2023年3月期業績予想を大幅上方修正
アサヒホールディングスは、リサイクル事業などに関わる「環境配慮型企業」です。
今時流に乗っているし、利益もしっかり出して高配当を実現していますよ。
さらに2023年度の売上を大幅に上方修正し、勢いがあります。
今回はアサヒホールディングスの売上、利益などの数値を検証したうえで、おすすめのポイントをデメリットを含めて紹介いたします。
ご投資の参考にしていただければ幸いです。
アサヒホールディングスとは
まずはアサヒホールディングスの概要を説明いたします。※執筆当時のデータです。
上場会社名 | アサヒホールディングス株式会社 Asahi Holdings, Inc. |
上場取引所 | 東京証券取引所プライム市場(旧東証一部) |
コード番号 | 5857 |
本社所在地 | 神戸本社 〒650-0001 兵庫県神戸市中央区加納町4-4-17ニッセイ三宮ビル16F TEL 078-333-5633 FAX 078-333-5681 東京本社 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12サピアタワー11F TEL 03-6270-1833 FAX 03-6270-1859 |
創業 | 1952年7月 |
設立 | 2009年4月 |
事業内容 | 貴金属リサイクル、産業廃棄物処理およびその他の環境保全 |
代表者 | 代表取締役社長 東浦 知哉 |
資本金 | 7,790百万円 |
年商 | 192,442百万円(2022年3月期) |
年初来高値 | 1838円 (2022年10月28日) |
年初来安値 | 2335円(2022年04月05日) |
配当利回り | 3.75~4.90%(年初来高値~安値における配当金) |
配当金 | 1株90円(2022年度) 1株90円(2023年度予想) |
決算期 | 3月末日 |
IR情報 | https://www.asahiholdings.com/ir/ |
公式HP | https://www.asahiholdings.com/ |
アサヒホールディングスの事業は「貴金属事業」と「環境保全事業」です。
たとえば、アサヒホールディングスの事業の売上の約90%を占める「貴金属事業」は、貴金属を含むスクラップから高純度の貴金属を回収したり、北米の鉱山会社から調達した金や銀の原材料の精錬事業を行っています。

例えば指輪やネックレスなどの貴金属や車の触媒、金歯などを回収し、純度の高い金やプラチナなどを製錬していますよ。
また、「環境保全事業」は、工場などから排出された廃棄物をリサイクルして無害化、堆肥原料や耐火レンガ再利用する事業です。

アサヒホールディングスの事業活動は、地球環境への貢献度が極めて高いと言えますね。

アサヒホールディングスの事業活動はSDGsそのものです。
アサヒホールディングスのおすすめポイント
アサヒホールディングスのおすすめポイントは下記です。
- 2022年度の売上、営業利益が前年度より増加
- この10年で配当額が3倍
- 過去一度も減配がない
- 2023年3月期業績予想が大幅上方修正
それぞれ分かりやすく説明していきますね。
2022年度の売上、営業利益が前年度より増加
アサヒホールディングスの2022年度の売上、利益は共に前年度から大幅に増加しました。
売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 当期純利益 (百万円) | 包括利益 (百万円) | |
---|---|---|---|---|---|
2014年3月期連結 | 94,254 | 9,629 | 9,985 | 5,969 | 6,418 |
2015年3月期連結 | 111,417 | 10,480 | 10,561 | 5,774 | 5,973 |
2016年3月期連結 | 118,473 | 8,705 | 8,510 | 5,031 | 2,554 |
2017年3月期連結 | 106,828 | 2,038 | 1,751 | △1,213 | △2,217 |
2018年3月期連結 | 115,797 | 13,791 | 13,410 | 9,416 | 9,576 |
2019年3月期連結 | 128,669 | 14,478 | 13,791 | 9,000 | 7,633 |
2020年3月期連結 | 135,563 | 18,010 | 17,650 | 9,846 | 5,690 |
2021年3月期連結 | 164,776 | 25,126 | 26,136 | 25,725 | 33,434 |
2022年3月期連結 | 192,422 | 26,446 | 26,372 | 18,735 | 15,173 |
2023年3月期連結※第2四半期まで | 132,653 | 11,493 | 10,241 | 7,293 | 10,523 |
2023年3月期連結※通期予想 | 270,000 | 24,000 | 22,600 | 15,600 | 未公開 |
アサヒホールディングスの2022年度の事業が好調の理由は以下の3点です。
- アサヒホールディングスが取り扱う貴金属製品販売量が増加した。
- 貴金属価格の上昇を追い風として、利益を押し上げた。
- コロナ禍が収束し、工業生産活動の回復傾向にあわせて産業廃棄物の取り扱いが増加した。
アサヒホールディングスの2022年3月期通期決算説明資料によると、貴金属事業における宝飾分野の回収量の増加とエレクトロニクス分野のICT(Information and Communication Technology)および5G関連の生産が好調で回収量が増加したと説明されています。
具体的には下記のような要因です。
- コロナ禍が終わり人流が回復したことで、アクセサリー類の売買が活発になり市場に出回る量が増加した。
- エレクトロニクス分野の好景気で生産量が活発になったため、回収量も増えた。
さらに貴金属価格のここ数年の上昇※の追い風に乗り販売価格が上昇、売上、利益を押し上げたのです。
※金の価格トレンド


金の小売価格は執筆時点(4月初旬)でもどんどん上昇していますよ。
また、環境保全事業における医療系廃棄物や消毒薬関連などの廃液の増加も収益向上に寄与しています。
この傾向もコロナによる人々の衛生管理に対する考え方が影響していると考えられます。
この10年で配当額が3倍
アサヒホールディングスの配当金はこの10年で3倍になりました。
配当金(1株あたり) | 配当利回り※ | 配当性向 | |
---|---|---|---|
2010年3月 | 50円(分割前※) | 1.33~2.04 % | 22.83% |
2011年3月 | 50円(分割前※) | 1.20~2.17 % | 26.30% |
2012年3月 | 60円(分割前※) | 1.63~2.09 % | 32.80% |
2013年3月 | 60円(分割前※) | 1.48~2.46 % | 43.10% |
2014年3月 | 60円(分割前※) | 1.38~2.13 % | 32.70% |
2015年3月 | 60円(分割前※) | 1.37~1.93 % | 33.90% |
2016年3月 | 60円(分割前※) | 1.26~2.13 % | — |
2017年3月 | 60円(分割前※) | 1.32~2.24 % | 23.30% |
2018年3月 | 63円(分割前※) | 1.21~1.73 % | 52.60% |
2019年3月 | 120円(分割前※) | 2.47~3.15 % | 52.00% |
2020年3月 | 170円(分割前※) | 2.97~4.32 % | 26.00% |
2021年2月 | 170円(分割前※) | 3.85~4.01 % | 37.80% |
2022年3月 | 90円 | 4.08~4.25 % | 44.20% |
2023年3月 (予想) | 90円 | — | 40% 目標 |
※2021年4月1日以降、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。1株当たりの配当利回りについて、当該株式分割調整後の再計算値を記載しています。
2013年ごろは1株当たりの配当金は30円(株式分割後の計算)でしたが、現在では90円です。
今の業績の良さとコロナ禍が明けの景気回復により、さらなる増配も期待できそうですね。
ここ15年も減配がない
アサヒホールディングスは2008年頃から一度も減配がありません。
アサヒホールディングスは株主重視の方針をとっています。
配当性向40%を目処とし、年間配当水準を現在の額から目減りさせず、安定的に配当を継続すること
税引き後純利益の中から、どれだけ配当金を出したかを見る指標。
- 利益を企業が成長するための投資に回している。
- 単純に貯めこんでいる。
- 株主還元をしっかり行っている。
- 利益が低いのにムリをしている場合も。※100%を超えると利益以上の配当金を出していることになるので、借り入れ等しなければならない。
計算式
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの税引き後当期純利益×100
じっさいに配当性向も30%~50%前後で推移していて、株主重視の考えがよく分かります。
今後も高配当の継続が期待できますね。

「たら、れば」だけど、10年前に一株800円で購入していたら配当利回り11.25%だよ
2023年3月期業績予想が大幅上方修正
2022年10月27日に元々の売上収益200,000百万円を270,000百万円へ大幅上昇修正されました。(2023 年 3 月期第 2 四半期業績予想値と実績値との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ)
この発表による影響で、その後1か月弱で株価が13%上がりました(1838円(10/28)→2079円(11/23))。
大幅修正の理由は「貴金属リサイクル事業の新工場の稼働開始に伴い、宝飾分野を中心とした貴金属回収量及び販売量が大幅に増加したこと」と説明されています。
貴金属価格の上昇を背景に今後の上方修正も期待できます。
アサヒホールディングス株のデメリット
アサヒホールディングス株のデメリットは下記です。
- 国際的な貴金属相場や為替の影響を受けやすい事業
- リサイクル事業は原料調達がボトルネック
- 持分法適用会社である株式会社フジ医療器の特許侵害トラブル
順にわかりやすく説明します。
国際的な貴金属相場や為替の影響を受けやすい事業
アサヒホールディングスが販売する商品の原料は、デンタル、宝飾などの店舗や触媒やエレクトロニクスの工場から回収された素材です。
この素材から高純度貴金属を取り出して販売する時、売価が国際的な相場に影響されやすいという宿命があります。(一般的な製品のように、売りたい値段で値付けしづらい)
昨年の売り上げは貴金属の相場が上がったことから好調に推移しましたが、このまま好調が持続するかは不透明です。
ただ世界の情勢からみてしばらくインフレ傾向が続くとの見方が多く、相場の暴落は生じにくい状況です。

金やプラチナ、銀などは有限の資源なので、代替素材が現れない限り価格が上がり続けるのが一般的です。
リサイクル事業は原料調達がボトルネック
アサヒホールディングスのメイン事業である貴金属のリサイクルは、原料調達がボトルネックです。
なぜなら石油や天然原料のように国際的な取引市場がないため、世に出回る量は限定的だからです。(バーゼル条約※により国際間の取引が制限されています)。
バーゼル条約とは、有害な廃棄物の国境を越える移動を制限した規制です。日本を含め183カ国とEU及びパレスチナにより締約されています。本条約は、有害廃棄物が欧米の先進国からアフリカの途上国に輸送され、環境汚染が問題となっていたことが発端に制定されました。
参考:バーゼル条約
しかしながら、アサヒホールディングスは北米で鉱山から直接原料を仕入れて高純度化するビジネスも展開中です。
アサヒホールディングスは様々な調達方法を持っているので、大きな心配はないと思われます。
持分法適用会社である株式会社フジ医療器の特許侵害トラブル
大きなニュースにはなっていませんが、ファミリーイナダとアサヒホールディングスの子会社フジ医療器との間に、3件の特許訴訟が発生していました。
両者が有する「マッサージ器」の技術特許について、それぞれの製品の技術的範囲が特許権の侵害に当たると主張したものです。
3件の特許権侵害差止事件
- 令和2年(ネ)第10024号 特許権侵害差止等請求控訴事件(フジ医療器が原告)
- 平成29年(ワ)第7384号 特許権侵害差止等請求事件(ファミリーイナダが原告)
- 平成30年(ワ)第1391号 特許権侵害差止等請求事件(ファミリーイナダが原告)
令和2年(ネ)第10024号は、フジ医療器が原告、ファミリーイナダが被告です。
裁判所はファミリーイナダに対し、3億9000万円余りの賠償を命じる判決を下しています。
また、平成29年(ワ)第7384号と平成30年(ワ)第1391号につきましてはファミリーイナダが原告、フジ医療器が被告です。
平成29年(ワ)第7384号と平成30年(ワ)第1391号の訴訟について大阪高等裁判所はアサヒホールディングスの子会社フジ医療器に対し、2件の訴訟の合計約2億2800万円の損害賠償の支払いを命じています。
本事件に関る支払いについては、アサヒホールディングスの2022年10月27日に公開された情報「2023 年 3 月期第 2 四半期業績予想値と実績値との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」にありますように、すでに「持分法による投資損失」として計上済みです。
アサヒホールディングスの株価の推移
アサヒホールディングスの株価の推移は下記です。

2020年くらいまでは微増でしたが、その後株価が急伸しました。
現在は業績に比べるとやや下がり目なので、買いやすいのではないかと思います。
アサヒホールディングス株の配当金、配当利回り、配当性向
アサヒホールディングス株の配当金、配当利回り、配当性向は下記です。
- 過去一度も減配がない配当安定重視施策。
- 2022年度は4%を超える高配当。
- 今後配当性指向を40%以上を維持する方針
- 特になし
配当金(1株あたり) | 配当利回り※ | 配当性向 | |
---|---|---|---|
2010年3月 | 50円(分割前※) | 1.33~2.04 % | 22.83% |
2011年3月 | 50円(分割前※) | 1.20~2.17 % | 26.30% |
2012年3月 | 60円(分割前※) | 1.63~2.09 % | 32.80% |
2013年3月 | 60円(分割前※) | 1.48~2.46 % | 43.10% |
2014年3月 | 60円(分割前※) | 1.38~2.13 % | 32.70% |
2015年3月 | 60円(分割前※) | 1.37~1.93 % | 33.90% |
2016年3月 | 60円(分割前※) | 1.26~2.13 % | — |
2017年3月 | 60円(分割前※) | 1.32~2.24 % | 23.30% |
2018年3月 | 63円(分割前※) | 1.21~1.73 % | 52.60% |
2019年3月 | 120円(分割前※) | 2.47~3.15 % | 52.00% |
2020年3月 | 170円(分割前※) | 2.97~4.32 % | 26.00% |
2021年2月 | 170円(分割前※) | 3.85~4.01 % | 37.80% |
2022年3月 | 90円 | 4.08~4.25 % | 44.20% |
2023年3月 (予想) | 90円 | — | 40% 目標 |
※配当利回りは、その年の最低株価と最高株価をその年の配当金で割って算出しています。
※2021年4月1日以降、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。1株当たりの配当利回りについて、当該株式分割調整後の再計算値を記載しています。
2022年度の配当金は、一株90円/株、配当利回りは4.08~4.25%でした。(東証プライム中3069社中290位)
加えてアサヒホールディングスは、2023年度も同額の配当額です。
さらに第9次中期経営計画(2021年度~2023年度)において、「配当性向40%を目処とし、現在の年間配当水準から目減りさせず、安定的に配当を継続する」ことを明言しています。
高い収益性に裏打ちされた、安定配当が今後も期待できますね。
アサヒホールディングスの売上、利益の推移
アサヒホールディングスの売上、利益の推移は下記です。
- 2014年度から売上が右肩上がりで増加
- 2023年度の売上は過去最高を予想
- 営業利益は2021年度以降やや頭打ち傾向
売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 当期純利益 (百万円) | 包括利益 (百万円) | |
---|---|---|---|---|---|
2014年3月期連結 | 94,254 | 9,629 | 9,985 | 5,969 | 6,418 |
2015年3月期連結 | 111,417 | 10,480 | 10,561 | 5,774 | 5,973 |
2016年3月期連結 | 118,473 | 8,705 | 8,510 | 5,031 | 2,554 |
2017年3月期連結 | 106,828 | 2,038 | 1,751 | △1,213 | △2,217 |
2018年3月期連結 | 115,797 | 13,791 | 13,410 | 9,416 | 9,576 |
2019年3月期連結 | 128,669 | 14,478 | 13,791 | 9,000 | 7,633 |
2020年3月期連結 | 135,563 | 18,010 | 17,650 | 9,846 | 5,690 |
2021年3月期連結 | 164,776 | 25,126 | 26,136 | 25,725 | 33,434 |
2022年3月期連結 | 192,422 | 26,446 | 26,372 | 18,735 | 15,173 |
2023年3月期連結※第2四半期まで | 132,653 | 11,493 | 10,241 | 7,293 | 10,523 |
2023年3月期連結※通期予想 | 270,000 | 24,000 | 22,600 | 15,600 | 未公開 |
2022年度は売上、営業利益とも過去最高です(2022年3月期決算短信)。
この要因は、アサヒホールディングスの事業の90%以上を占める貴金属リサイクル事業における貴金属価格上昇です。
たとえば、貴金属の代表である金、銀の2022年度の変化は下記の表です。
2021年4月1日 | 2022年3月31日 | 差分 | |
金 | 6,732円/g | 8,393円/g | +1661円/g |
銀 | 99.33円/g | 110.33円/g | +11円/g |
金ではたった1年で1gあたり1,500円もあがっていて、業績に与えるプラスの影響も大きいですよね。
ただ気になるのは営業利益と当期純利益です。
アサヒホールディングスの当期純利益は2021年度以降かつての勢いがありません。
特に2023年3月期連結の営業利益と当期純利益は、マイナス予想です。
営業利益 | 2022年3月期実績 | 2023年3月期予想 | 予想との差分 |
営業利益 | 26,446 | 24,000 | △2,446 |
当期純利益 | 18,735 | 15,600 | △3,135 |
しかし固めな予想には理由があります。
それは、アサヒホールディングスの持分法適用会社である株式会社フジ医療器が、ファミリーイナダ株式会社より提起されていた特許権侵害訴訟です。
営業利益については、判決にもとづく損害賠償命令に従って「持分法による投資損失」を、当期純利益については「その他の費用」を2023年度第2四半期と第3四半期に計上したからです。
つまりあくまで突発的な要因で本業不振ではないため、特に問題ないと思われます。
アサヒホールディングスのキャッシュフロー
アサヒホールディングスのキャッシュフローは下記です。
- 現金等が2023年度第2四半期で回復
- 現金等の資産が2020年度から2022年度まで減少傾向
営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) | 現金及び現金等同等物に係る換算差額(百万円) | 現金等(百万円) | |
---|---|---|---|---|---|
2014年3月期連結 | 14,058 | △1,090 | △8,021 | 381 | 9,470 |
2015年3月期連結 | 9,419 | △29,633 | 21,442 | 143 | 10,841 |
2016年3月期連結 | 14,321 | △1,936 | △6,473 | △191 | 16,564 |
2017年3月期連結 | 3,319 | △2,442 | △6,630 | △13 | 10,798 |
2018年3月期連結 | △13,397 | △2,829 | 29,776 | △208 | 24,140 |
2019年3月期連結 | △20,648 | △5,629 | 18,261 | 174 | 16,297 |
2020年3月期連結 | 4,572 | 1,927 | 273 | △163 | 22,908 |
2021年3月期連結 | △33,353 | △2,800 | 24,422 | △1,154 | 10,023 |
2022年3月期連結 | 11,103 | △7,820 | △6,044 | △1,134 | 6,127 |
2023年3月期連結※第2四半期まで | 4,474 | 46 | △2,100 | 1,595 | 10,143 |
アサヒホールディングスの手持ちの現金が2020年度の22,908百万円をピークに2021年度(10,023百万円)、2022年度(6,127百万円)と減少気味でした。
原因を一言で言うと営業キャッシュフローに対し支払いが多かったことです。
貴金属リサイクルは原価が高い業種なので、借入金も高額になりがちです。
借りたお金はいずれ返さなくてはならないので、キャッシュフロー上はどうしてもマイナスになってしまう時があります。
ただしアサヒホールディングスは営業利益率約10%の優良企業ですし、2022年度の第2四半期ですでに10,143百万円の現金を獲得していることから分かるように、キャッシュをしっかりコントロールしています。
業種としても無くなることはほぼ無いと言えるので、業績が極端に下がらない限り問題ないと思われます。

キャッシュが少ない代わりに、他業種に比べて棚卸資産が極端に多いです。
換金性が極めて高い貴金属類なので、現金を保有しているのと変わらないとも言えますね。
アサヒホールディングス株の評判
SNS上でのアサヒホールディングス株の評判です。
死ぬまで保有した高配当銘柄
— れおん┃ポイ活投資家(高配当×インデックス) (@FIRE_LEON777) September 22, 2022
①ソフトバンク➡ 5.8%
②三井住友FG➡5.0%
③三菱HCキャピタル➡4.6%
④三菱UFJFG➡4.4%
⑤KDDI➡3.1%
⑥オリックス➡3.8%
⑦伊藤忠商事➡3.5%
⑧アサヒホールディングス➡4.3%
これらの高配当銘柄で不労所得を作れていると、老後は安泰になるんじゃないかな?
5857 アサヒホールディングス
— daiball@日本高配当×分析紹介 (@daiball1006) February 13, 2023
現在価格:1944円
配当利回り:4.62%
◆高配当株の要素
①配当利回りが高い(3%以上)
②業績順調(値上がりも見込める)
③割安(PERが市場平均より低い)
④増配傾向(長期的に減配していない)
⑤株主還元に積極的(自社株買いや優待)
⑥内部留保が多い(増配の可能性) pic.twitter.com/pB560DqKXc
企業分析
— くりーむぱん @年間配当120万に向けて🥯 (@follow66092723) February 10, 2023
アサヒホールディングス
貴金属のリサイクルだけではなく、環境保全事業にも力をいれているところに私は注目しています☺️
ESG投資が今話題ですが、海外からの資金を集めるにはカギだと思います✨#投資家さんとつながりたい #投資家さんと繋がりたい#投資初心者#日本株 #投資#株式投資 pic.twitter.com/qblRAj00KD
高い配当利回りが期待できるので、保有している方も多い印象ですね。
アサヒホールディングス株の購入方法
アサヒホールディングス株を購入するなら、私も利用しているマネックス証券がおすすめです。
- 1株から購入できる。(買い手数料無料、売り手数料約定代金の0.55%と業界最安水準)
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アサヒホールディングス株のよくある質問
アサヒホールディングス株についてのよくある質問をまとめました。
- アサヒホールディングス子会社フジ医療器の特許訴訟の今後について教えてください
- 米国金融規制改革法で金などの鉱物が規制されていると聞きました。影響について教えてください。
- 2023 年3月期の通期業績予想において売上が大幅上昇なのに対し、当期利益を下方修正しているのはなぜですか。
- アサヒホールディングスの子会社フジ医療器の特許訴訟の今後について教えてください
- ファミリーイナダより告発されたフジ医療器の特許訴訟については、大阪高等裁判所の命により損害賠償を支払い済みです。また、フジ医療器株は、2022年12月14日に台湾のジョンソンヘルステック社全額譲渡しており、すでにアサヒホールディングスの持分法適用関連会社ではありません(持分法適用関連会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ)。
- 米国金融規制改革法で金などの鉱物が規制されていると聞きました。影響について教えてください。
- 米国金融規制改革法の中に通称「紛争鉱物法案」というのがあります。米国証券取引委員会(SEC)に報告書を提出している米国企業及び外国企業を対象にし、スズ、タンタル、タングステン、金を違法な採掘でないことを第三者機関の監査を受けて報告させる法律です。違法な採掘とは、コンゴ民主共和国及び隣接国産で産出される鉱物が児童労働やテロリストの資金源になることをいい、この状態にないことを証明しなければいけません。アサヒホールディングスの子会社アサヒプリテックは、「責任ある貴金属管理方針」でリスクのある調達を回避することを明記しています(参考:紛争鉱物とは「責任ある鉱物調達」)。
- 2023 年3月期の通期業績予想において売上が大幅上昇なのに対し、当期利益を下方修正しているのはなぜですか。
- 2022年10月27日に発表された「2023年3月期第 2 四半期業績予想値と実績値との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」によると、売上の上昇は、貴金属回収量及び販売量が大幅に増加したこととあります。一方、当期利益を下方修正した理由は、フジ医療器のジョンソンヘルステック社との取り決めに従い損害賠償の一部が「その他の費用」などとして2023年度に計上されたからです。
アサヒホールディングス株以外のおすすめ高配当銘柄
※表は右にスクロールできます。
銘柄名 (銘柄をタップすると 詳細にアクセスできます) | 配当利回り ※注 | 配当金 (1株あたり) | 配当金の権利付き最終日 (この日までに買うと 配当金が受け取れる) | 株主 優待 |
---|---|---|---|---|
安藤・間 (1719) | 4.25% ~5.08% | 40円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
鹿島建設 (1812) | 3.64% ~4.65% | 62円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
日東富士製粉 (2003) | 3.13% ~4.22% | 154円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
日本食品化工 (2892) | 5.00% ~10.09% | 180円 | 中間:なし 期末:2024年3月27日 | × |
JT【日本たばこ産業】 (2914) | 6.5% ~9.4% | 188円 | 中間:2023年6月28日 期末:2023年12月27日 | × |
武田薬品工業 (4502) | 4.01% ~5.67% | 180円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
ENEOSホールディングス (5020) | 3.78% ~5.11% | 22円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
TOYO TIRE (5105) | 2.85% ~4.24% | 55円 | 中間:2023年6月28日 期末:2023年12月27日 | × |
アサヒホールディングス (5857) | 3.71% ~4.89% | 90円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
日本ピラー工業 (6490) | 2.92% ~4.69% | 119円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | ○ |
帝国通信工業 (6763) | 3.80% ~4.73% | 60円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
いすゞ自動車 (7202) | 3.87% ~5.59% | 72円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
オーハシテクニカ (7628) | 3.68% ~4.71% | 57円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | ○ |
バルカー (7995) | 4.24% ~5.20% | 125円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
東京エレクトロン (8035) | 2.02% ~3.28% | 559.33円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
住友商事 (8053) | 4.62% ~6.52% | 115円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
稲畑産業 (8098) | 3.88% ~6.64% | 110円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | ○ |
伊藤忠エネクス (8133) | 4.11% ~4.89% | 48円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
三井住友フィナンシャルG (8316) | 3.35% ~5.71% | 210円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
東京海上HD (8766) | 3.33% ~4.90% | 100円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
九州旅客鉄道 (9142) | 2.87% ~4.02% | 93円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | ○ |
日本電信電話 (9432) | 2.90% ~3.39% | 120円 ※株式を25分割後、5円になる予想 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | ○ |
KDDI (9433) | 2.69% ~3.69% | 125円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | ○ |
三協フロンテア (9639) | 3.01% ~5.19% | 160円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | ○ |
蔵王産業 (9986) | 3.11% ~4.49% | 78円 | 中間:2023年9月29日 期末:2024年3月27日 | × |
※配当利回りは、その年の最低株価と最高株価をその年の配当金で割って算出しています。
まとめ:アサヒホールディングスは売上、利益、配当も好調の優良企業です
本記事をまとめます。
今回はアサヒホールディングス株について分かりやすく解説いたしました。
- 2022年度の売上、営業利益が好調
- この10年で配当額が3倍以上
- 2023年3月期業績予想を大幅上方修
- 持分法適用会社である株式会社フジ医療器の特許侵害トラブルは解消
アサヒホールディングス株の直近の配当利回りは4.08~4.25%と高配当です。
配当性向も40%以上をキープする方針です。
2022年10月27日に2023年の売上大幅上方修正がが発表されました。
貴金属の国際取引価格が上昇傾向の中、今後も好調な業績が期待できますね。
心配された子会社の特許侵害トラブルも、子会社売却により完全解消済み。
もちろん株に絶対はありませんが、アサヒホールディングスは時流に乗ったおすすめの企業なのは間違いないですね。
ぜひ購入の参考にしてみてください。
今回は以上です。
→マネックス証券でアサヒホールディングス株を1株から購入してみる
注意
本記事の内容はあくまで個人的見解です。投資助言や勧誘を目的としていません。
リスクを考慮した上、ご自身の判断で投資を行ってください。いかなる損失についても責任を負いかねます。
また、記事内のデータはすべて執筆時のものです。最新の情報は各社のIRをチェックしてください。