FP2級【学科】2021年9月【問21】

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本記事の内容
『2021年9月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】

Q.21

国内総生産(GDP)と経済成長率に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 支出面からみた国内総生産(GDP)を構成する需要項目のうち、2020年度の実質値において、最も高い割合を占めているのは、民間最終消費支出である。
  2. 国内総生産(GDP)には名目値と実質値があり、経済環境が、物価が持続的に低下する状態(デフレーション)にある場合、一般に、名目値が実質値を下回る。
  3. 経済成長率は、国内総生産(GDP)がどれだけ変化したかを数値で表したものであり、内閣府が1年間および四半期ごとの経済成長率を公表している。
  4. 経済成長率には名目値と実質値があり、名目経済成長率は実質経済成長率から物価の上昇・下落分を取り除いた値となる。

4が不適切

1の補足

  • 支出面からみた国内総生産(GDP)を構成する需要項目のうち、2020年度の実質値において、最も高い割合を占めているのは、民間最終消費支出である。

適切です。

GDPおもな指標

指標 割合
民間最終消費支出 約53%
民間住宅 約3%
民間企業設備 約16%
民間在庫変動 約0.1%
政府最終消費支出 約21%
公的資本形成 約5%

統計表一覧 実質年度 2020/4-3:内閣府


2の補足

  • 国内総生産(GDP)には名目値と実質値があり、経済環境が、物価が持続的に低下する状態(デフレーション)にある場合、一般に、名目値が実質値を下回る。

適切です。

名目GDP=その年の物・サービス等の価格×生産量

実質GDP=基準年の物・サービス等の価格×生産量

デフレの状況とは物の価格が下がっていくことをいうので、まとめると下記のような表になります。

  名目GDP 実質GDP
2018年(基準年) 100円×100個=10,000円 100円×100個=10,000円
2019年 90円×100個=9,000円 100円×100個=10,000円
2020年 80円×100個=8,000円 100円×100個=10,000円

よって名目GDPが実質GDPを下回っているので適切だと分かります。


3の補足

  • 経済成長率は、国内総生産(GDP)がどれだけ変化したかを数値で表したものであり、内閣府が1年間および四半期ごとの経済成長率を公表している。

適切です。

おもな経済指標一覧

指標 発表機関 発表時期 内容
国内総生産(GDP) 内閣府

2.5.8.11月

(1次速報)

国内で生産された物・サービス等の付加価値の総額
景気動向指数 内閣府 毎月 生産や雇用などの景気に敏感な指標を統合したもの(CI、DIがある)
日銀短観 日銀 3.6.9.12月 企業の売上高や収益、設備投資額などを調査し金融政策に利用している
企業物価指数 日銀 毎月 企業間取引の商品の価格
消費者物価指数 総務省 毎月 一般の商品やサービスの価格
マネーストック 日銀 毎月 世の中に出回っているお金の総量

4の補足

  • 経済成長率には名目値と実質値があり、名目経済成長率は実質経済成長率から物価の上昇・下落分を取り除いた値となる。

不適切です。

名目経済成長率とは実質経済成長率に物価の上昇・下落分を乗じたもののことを言います。

名目経済成長率=実質経済成長率×物価の上昇・下落分

michi
michi

設問では反対の意味になってしまいます。

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