FP2級【学科】2021年9月【問27】

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本記事の内容
『2021年9月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】

Q.27

金融派生商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 現物と反対のポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引を、ヘッジ取引という。
  2. ヘッジ取引には、将来の価格上昇リスク等を回避または軽減する売りヘッジと将来の価格下落リスク等を回避または軽減する買いヘッジがある。
  3. 現物価格と当該現物を原資産とする先物価格の間で価格差が生じた場合、割高な方を売り、割安な方を買うポジションを組み、その価格差を利益として得る取引を、裁定取引という。
  4. 先物の将来の価格を予想してポジションを取り、予想どおりの方向に変動したときに、反対売買を行って利益を確定する取引を、スペキュレーション取引という。

2が不適切

1の補足

  • 現物と反対のポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引を、ヘッジ取引という。

適切です。

michi
michi

ヘッジは『回避』という意味です。


2の補足

  • ヘッジ取引には、将来の価格上昇リスク等を回避または軽減する売りヘッジと将来の価格下落リスク等を回避または軽減する買いヘッジがある。

不適切です。

売りヘッジと買いヘッジが逆です。

買いヘッジ 将来の価格上昇リスク回避
売りヘッジ 将来の価格下落リスク回避
michi
michi

買いヘッジは例えば仕入れをする際に、同じ系統の先物を買っておけば、将来仕入れ価格が上昇しても先物はその差額が利益になるのでリスクを回避できます。

売りヘッジは例えば物を売る際に、同じ系統の先物を売りポジションでもっておけば、将来にその販売価格が下落しても先物を買い戻すことでその差額が利益になるので、リスクを回避できます。


3の補足

  • 現物価格と当該現物を原資産とする先物価格の間で価格差が生じた場合、割高な方を売り、割安な方を買うポジションを組み、その価格差を利益として得る取引を、裁定取引という。

適切です。

裁定取引の例

  • A(現物)→1,050円→買いポジション
  • B(先物)→1,100円→売りポジション

仮に1,070円の時に反対売買(Aは売る、Bは買い戻し)をすると利益は下記になります。

(1,070円-1050円)+(1,100円-1,070円)=30円

理論上は100%利益がでますが、同じような値動きを見極めるのは現実にはかなり厳しいです。(例でいえばA、Bともに1,070円にピッタリになるとは限らないし、そもそもその金額で売買できるとも限らないです)

また取引手数料や信用金利などもかかるので少額では利益がでません。


4の補足

  • 先物の将来の価格を予想してポジションを取り、予想どおりの方向に変動したときに、反対売買を行って利益を確定する取引を、スペキュレーション取引という。

適切です。

michi
michi

スペキュレーション=投機という意味です。

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