FP2級【学科】2021年9月【問58】

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本記事の内容
『2021年9月実施』FP2級学科試験の過去問の解説です。
【共通】

Q.58

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 受贈者の配偶者の父母(義父母)から住宅取得資金の贈与を受けた場合、本特例の適用を受けることができない。
  2. 受贈者が自己の居住の用に供する家屋とともにその敷地の用に供される土地を取得する場合において、その土地の取得の対価に充てるための金銭については、本特例の適用を受けることができない。
  3. 新築した家屋が店舗併用住宅で、その家屋の登記簿上の床面積の2分の1超に相当する部分が店舗の用に供される場合において、その家屋の新築の対価に充てるための金銭については、本特例の適用を受けることができない。
  4. 住宅取得資金の贈与者が死亡した場合において、その相続人が贈与を受けた住宅取得資金のうち、本特例の適用を受けて贈与税が非課税とされた金額については、その贈与が暦年課税または相続時精算課税制度のいずれの適用を受けていたとしても、相続税の課税価格に加算されない。

2が不適切

1の補足

  • 受贈者の配偶者の父母(義父母)から住宅取得資金の贈与を受けた場合、本特例の適用を受けることができない。

適切です。

本特例の要件は本人の直系尊属から20歳未満の直系卑属への贈与のため、配偶者の両親からの贈与は適用外です。

michi
michi

尊属は自分より上の世代、卑属は自分より下の世代です。

養親、養子も含まれます。


2の補足

  • 受贈者が自己の居住の用に供する家屋とともにその敷地の用に供される土地を取得する場合において、その土地の取得の対価に充てるための金銭については、本特例の適用を受けることができない。

不適切です。

土地の取得も適用されます。

「住宅用の家屋の新築」には、その新築とともにするその敷地の用に供される土地等又は住宅の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含み、「住宅用の家屋の取得又は増改築等」には、その住宅の取得又は増改築等とともにするその敷地の用に供される土地等の取得を含みます。

No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税:国税庁より引用

3の補足

  • 新築した家屋が店舗併用住宅で、その家屋の登記簿上の床面積の2分の1超に相当する部分が店舗の用に供される場合において、その家屋の新築の対価に充てるための金銭については、本特例の適用を受けることができない。

適切です。

本特例は床面積の2分の1以上が居住の用に供されなければ適用されません。


4の補足

  • 住宅取得資金の贈与者が死亡した場合において、その相続人が贈与を受けた住宅取得資金のうち、本特例の適用を受けて贈与税が非課税とされた金額については、その贈与が暦年課税または相続時精算課税制度のいずれの適用を受けていたとしても、相続税の課税価格に加算されない。

適切です。

相続税には加算されません。

住宅取得等資金の贈与者が亡くなった場合、贈与者に係る相続税を計算する際に、非課税の特例の適用を受けた住宅取得等資金は相続税の課税価格に加算するのですか。

非課税の特例の適用を受けて、贈与税の課税価格に算入されなかった金額は、相続税の課税価格に加算する必要はありません。(相法19、措法70の2)

No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税:国税庁より引用

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例

贈与者 直系尊属(父母、祖父母など)
受贈者 20歳以上の直系卑属(子、孫など)
受贈者の所得制限

贈与を受けた年の所得が2,000万円以下

※床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下

おもな要件

自己の配偶者、親族などの特別な関係のある人から住宅を取得していない、またはこれらの者に依頼をして新築等をしていない。

贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住し、その後も居住予定である。翌年の12月31日までに居住できなかった場合は本特例は受けられない。

取得した住宅の床面積が40㎡以上240㎡以下、かつ家屋の床面積の2分の1以上が居住の用に供されること。

暦年課税、相続時精算課税制度のいずれかと併用可能

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